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●みこしば動物病院の考え方 プロフィール

◎ 基本的理念

どこのホームページにも載っている "動物病院のコンセプト" のコーナー

"みこしば動物病院" は、獣医師であり現に動物病院をやっている自分自身が「もしもうちの犬や猫が病気に罹ったり、問題行動を起こしてしまったとき、あるいは、ちょっと解らないことがあるんだけど聞きたい?」ということがあったときに、「病気の説明をしてもらったり、治してもらったり、相談にのってもらったりするときには、獣医さんにはこのようにやってもらいたい!」・・・と考えていることを毎日の診療に実践している動物病院です。

獣医師が何のために動物病院を始めたのか?とか、どのようなコンセプトで動物病院を運営をしているのか?などということは、あらためて(呪文のように)並べ立てて宣伝するようなことではないとは思うのですが、(それでも)動物病院から発信しているホームページである限りは、その基本理念を紹介するのは基本中の基本だとも思いますので、、一応、読んでみていただけたらと思います(でも実際には獣医師がくどくどとこのようなことを書いているというのはそれほど多くないのではないでしょうか)。

私たち獣医師は、直接的には動物の健康を維持するために、病気を予防し疾患を治療することを仕事としています。戦争があった頃には軍馬の、平和の世の中では牛や馬などの産業動物の世界で、多くの獣医師が日本での安定した食糧の確保のため、そして、経済的にも第一次産業に携わる人々のバックアップとして大変重要な役割を担ってきました。さらに、古くは御殿医的な存在として愛玩犬の診療、近代では狂犬病の予防と撲滅にまさに体を張って取り組んだ結果、世界でも希な狂犬病清浄国としての記録更新に大きな貢献を果たしてきています。また、近年家庭で飼われている動物たちから飼い主その家族が受ける精神的な恩恵の部分が見直され、小動物を扱う獣医師の(動物を通じた)人間社会へ貢献が言われています。

つまり、犬や猫をはじめとする小動物を診る仕事を受け持つ獣医師は、現代の厳しい経済環境や競争の激化による希薄な人間関係によって私たちを幾重にも取り囲んでしまっているストレス社会の中において、物的・金銭的なものからではもはや得ることができなくなってしまった「優しさ」や「安らぎ」の心を取り戻させてくれることのできる小動物たちを、正常な社会生活を維持させる上で欠くことのできない重要なコンパニオン・アニマルとしてとらえ、その動物たちの健康の管理をすること、そして、病気や怪我から彼らを救い飼い主の元へ復帰させるための仕事をしているわけです。

 
獣医師の仕事

実際に動物を診る仕事というのをはじめてみますと、動物がまだ元気で健康であるにもかかわらず「どこかに病気があるのでは?・・・」とか「もしも、年をとって死んでしまったら・・。」などという、あるいは人間同士の間柄であったとしてもそれほどまでに心配をするであろうか?というほどの心のこもった愛護心に生き物の尊厳というものがいよいよ一般的な文化として定着してきたことを喜ばしく思いますが、一方、そのような世の中になってきたことで自分たち獣医師に対する期待の大きさをきわめて重く感じています。

そして、いったんその心配が事実の現象として現れてしまったとき・・・動物達が病気になったりあるいは事故などで健康を害してしまったときの飼い主さんの精神的な動揺と心配の大きさに対しても、獣医師が現代社会で担う責任の大きさを痛感するばかりです。

このように、動物たちが人間社会、特に家庭という単位の人間の生活圏におよぼす精神的な恩恵は計り知れないものがありますが、獣医師はその動物という恩恵の健康を護るための最前線で働いているわけです。

本院ではその獣医師の役割を、

●病気になってしまった動物を飼い主さんの元へ返すこと
●家族である飼い主さんに対して正確な情報を解りやすく説明すること
●極限状態の動物とその飼い主さんの間できちんとした役割を果たすこと
●動物の心のケアーを重要課題として取り組むこと
●予防医学を取り入れ、長寿のために積極的な提案をすること、

ということと考えています。

 
動物の病気を治すこと

このことは、私たち獣医師にとってたいへんな足枷を背負い込むことになります。要するに動物の病気をきちんと診ようとすれば、自らが生涯にわたって技術や理論を収集・蓄積しそれを継続する必要があります。そしてそれを実際の診療に活用・応用することによってのみなし得るという、前向きで実直な姿勢を必要とされるからです。でも、動物病院を開設した獣医師にとってこのことはあまりにも当たり前の姿勢と考えます。

 
きちんとした説明をすること

さらに、動物たちの親代わりである飼い主さんにきちんと病気の内容をお話しし、病気の状態を理解していただき、するべき作業の必要性をきちんと説明するということが重要です。病気のことをよく知っていて、それに対する対応法を熟知しているということは基本中の基本ですが、それでも「口が足りない」ということはいけません。自分の動物がどのような状況に陥っていて、これからどのようなことが必要なのか、そのためには獣医師は何をしようとしているのか、そして、飼い主たる自分はどのようなことをしなくてはならないのか・・・これらのことを飼い主さんがきちんと把握できていない場合は動物は病気と闘うことができません。つまり、飼い主さんにはきちんとわかりやすい説明がなされなくてはいけないということです。また、逆に飼い主さんは "解る" まで獣医師に質問することができなくてはいけません。

本院では、(一部例外を除いて)病気になってしまった動物に関する説明を飽きるほどします。とくに入院を必要とするような重篤な病気の場合はなおさらです。病気というのは、説明する側はよく分かっていてスラスラと難しい言葉を並べ立てて満足してしまいがちなのですが、ほとんど体のメカニズムに関して知識のない飼い主さんにとっては "(最初から)チンプンカンプン" なことも多いのです。この場合、「尿」を「オシッコ」と「大腿部」を「ふともも」と言ってもらっただけでも雰囲気はずいぶん変わります。獣医仲間からは「専門用語を知っているのか?」と言われてしまいそうですが、(最近はそんな言葉を使い慣れてしまって本当にそうなってしまいそうなのですが)要は飼い主さんに私たちがお伝えしたいことが理解していただければよいわけです。それだけで治療効果はずいぶんよくなります。

 
動物病院は動物の病気を扱うことを通じて、飼い主さんの精神的な健康をも保障する

「我が家の動物が病気になってしまった!。」・・・このようなときの飼い主さんたちの動揺と心配は想像を絶するものがあります。

それが、たとえ数日の入院で快復するようなものであっても、その間の不安や心配はお見舞いに訪れるそれぞれの人々の顔に如実に見て取れるものがあります。まして、その病気が不幸にも不治のものであったような場合、いつかは来る最後の瞬間に向けて、残された時間を耐え・受け入れるしかない飼い主さんの精神状態は察するに余りあるものがあります。

そのような場合、患者と飼い主さんの両方に直面する獣医師は大変重要な役割を担うことになります。一方は、現在できる限りの情報と技術を用いて患者さんである動物たちの生還を積極的にサポートし、もう一方では、精神的に不安と落胆でいっぱいの飼い主さんに対してのサポートです。

動物病院の役割のひとつはこの飼い主さんに対する精神的なサポートであると考えます。

最近 "アニマル・ロス" と言われる、動物を失うことによって生じる飼い主の精神状態の問題が話題になっていますが、このことに関する問題は別に最近になってはじめて起きてきたことではなくて、以前から我々獣医師は常にそのことに関して直面していた問題でした。

現在、この問題は本来は人間の精神科の領域の問題として扱うものとして認識しています。でも、イヌやネコの精神科の問題が獣医の世界で遅れていたように、人間のペット・ロスに関する人医の領域での取り組みもまたこれからの課題のようです。当分は、獣医師がこの問題に関わる責任者の一員として積極的に取り組んでいく必要があります。

というわけで、動物の健康を維持し病気を治すことを仕事とする獣医師は、その飼い主の精神的・肉体的な健康にも影響を及ぼす可能性のある仕事をしているわけですから、動物の病気を治すための知識や技術を持ち合わせることは言うまでもなく、その後ろある飼い主という人間の精神的な健康をも担うことになるため "人の心" を扱う仕事をもしているということを肝に銘じておく必要があるわけです。

 
動物の心のケアーをする

最近は、動物たちはただ飼われるだけでなく、人とともに暮らすコンパニオンとしての役割を果たすという認識が一般化されています。住宅事情も伴って、家の中で暮らすことが多くなってきた動物たちは、猟犬や番犬という実務的な作業を担っていた時代から急速にその役割を変化させ、人間の精神衛生に寄与する役割を担う存在になってきています。

ところが、それに伴い、外で番犬をしていたイヌは、家の中で飼われることが多くなり、ネコは外にネズミを取りに行くことが少なくなってきました。動物たちは家の中で四六時中人といっしょに過ごすことが多くなったため、思いの外大きなストレスを感じているようです。そして、家の中で起こるいろいろなトラブル。「とても一緒に暮らせない!」といった飼い主さんたちの "悲鳴" もたくさん聞かれるようになってきてしまいました。

そこで注目されてきたのが、コンパニオンとしてふさわしい資質をもった動物・・・つまり "しつけ" に関する話題です。この話題は、従来は "訓練師" さんたちの受け持つ分野として獣医師にはあまり関心を持たれていませんでしたが、実際にはこの問題は "しつけ" という作業で一括してしまえないたくさんの根本的な問題を抱えているとして、近年動物の病気の一分野(問題行動学)として注目されています。

繁殖法や飼い方の問題、飼い主と動物の間での気持ちの行き違いによって生ずる、動物や飼い主が抱えてしまったトラブルという・・・いわゆる問題行動を扱うのがこの分野です。この分野に関しては獣医師の間でも未だ認識に差があるところですが、早くからこの分野に目を付け「今後、犬や猫には精神科という分野の確立が必要になる。」ということで飼い主と動物の心のケアーが獣医師たちの手によって始められています。

具体的には、

「公園で他の動物と遊べない」
「噛み癖がある」
「極端に恐がりである」

・・・など、繁殖や販売の方法等、すでに家に動物が来る前から問題があることが多いものと、

「飼い主を引っ張り回す」
「電話や来客があると鳴き続ける」
「シャンプーや爪切りの時にじっとしていられない」
「留守にすると家の中がメチャメチャになってしまっている」
「わざとトイレでないところにオシッコやウンチをしてしまう」
・・・など、獣医師の時間をかけた丁寧な説明と正確な指導で飼い主さんにきちんと理解してもらうことでどうにか解決できそうな問題があります。

イヌやネコにもたくさんの感情表現があるのはご存じの通りですが、その表現には必ずそれぞれに理由があるのも事実です。飼い主にとっては「変な行動だ」とか「迷惑だ!」と映る動物たちの行動も、実はそれぞれに原因や理屈があります。このホームページの別のコーナーではそれらの実例についてかなり多くのスペースを割いてご紹介していますが、いくつかの問題は、飼い主のちょっとした態度や声のかけ方の工夫で割合簡単に解決してしまうようなものも多いのです。

要するに動物との快適な関係は、きちんと相手を理解して、それに応じた対応ができればOK・・・と考えています。

本院ではこの問題に古くから注目し、診察時間のかなりの時間をこの問題の解決に費やしてきています。したがって、この関係の質問はいつでもお受けしています。

 
健康は日頃からの予防管理が一番

"予防" というのは、狂犬病の予防注射や混合注射、フィラリアの予防薬といったものばかりではありません。

日頃の運動管理が体力の強化を、きちんとしたしつけを済ませておくことがいざというときの扱い易さにつながります。食べ物も量が多すぎたり、適していない内容だったりするとたいへんないたずらをすることがあります。(最近は少なすぎるということはないようですが)・・・食餌の工夫で肥満や皮膚病などにとても有利な管理の仕方というのがあるわけです。つまり、日常の生活のちょっとした工夫や管理で長い目で見て動物たちに有利な予防管理を行うことができるわけです。

本院は、動物たちを快適に長生きさせるためのいくつかの提案をすることができます。

以上、みこしば動物病院が動物の病院として考え、実施している診療のあり方についてお話しをしました。でも、実際のところ 患者 <-> 獣医師 <-> 飼い主 の関係というのは、"考え方" や "理念" などという飾った文字列を読むことでわかるようなものではなく、事実を現実的に積み重ねて "信頼" というかたちで作り上げていくものです。 "その動物病院の先生が信頼に値するか" 、"長くつきあっていけるか" 、"いざというときに頼りになるか" 、というようなことは、実際にその人となりを見てみなくては何も判断することができません。小さな相談事でも気軽に寄ってお話しをしてみてください。


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