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●動物のまじめな病気の話 (注意事項)


ここでは、動物の病気に関する質問に答えています。
内容は、3つのコーナーに分かれていますが、場合によっては他のコーナーの内容も有用な情報になることもありますので、できるだけたくさんの情報を読んでみてください。

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●一般的な病気のはなし
●病気の予防と看護の知識
●犬の病気について
●猫の病気について
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○困ったさんの退治の仕方のコーナーへジャンプ
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ジャンプメニューに戻ります ●一般的な病気のはなし
About General

○避妊手術ってした方がいいの?
○肥満大敵って本当?
○マンションに住んでいる動物は予防をしなくてもいいの?
○ときどき "けいれん" を起こします。
○おう吐の原因
○下痢の原因
○かゆみの原因
○フィラリアの検査ってしなくてはダメですか?


一般的な病気のはなしのメニューに戻ります Answer of Question About General Disease Infomation No.001
○避妊手術ってした方がいいの?

メス犬の避妊手術をした方がよいかどうかを語る場合、次のことが参考になると思います。

乳腺腫瘍の発生率は、

避妊時期が初回の発情前の場合0.05%
1回目と2回目の発情の間の場合8.00%
2回目の発情以降に避妊手術の場合
となっています(〜麻布大学)。
26.00%

また、非避妊例の腫瘍発生は避妊例よりも効率になるという報告もあります。

必ず避妊手術をしましょうということを言うものではありませんが、手術を予定している場合は生後8ヶ月〜10ヶ月くらいを目安に予定を組むのがよいでしょう。

一般的な病気のはなしの病気のメニューに戻ります Answer of Question About General Disease Infomation No.002
○肥満大敵って本当?

本当です。

肥満が体に良くないのは人間だけではありません。
そして良くない理由もやはりヒトの場合と同じです。
特に心臓や膝などに故障を抱えているような場合その影響は深刻です。
蒸し暑い夏の夜に肺水腫を起こして動物病院に担ぎ込まれる動物のほとんどがいわゆる太りすぎの動物たちです。

その目安ですが、一般的に

・あばら骨が外から触れない。
・背骨に触れない(背中で麻雀できる?)。
・腰骨がどこにあるかわからない。
・首の周囲にしわがある・・・犬種によっては元々ある場合もあります。
等々・・・

多くの場合、飼い主さんはご自分の家のイヌやネコが太っているということをあまり真剣には認識していません。場合によっては、(すごく太っているのに)「太っている!」と聞いても「かわいいじゃないか」とおっしゃる場合もあります。

実は、イヌやネコのように他の動物を捕って食べるタイプの動物は(オオカミやトラなども含めて捕食獣というのですが)、餌を捕るという目的のためにかなり敏捷な動きを要求されます。それでもいつでも狩りが成功するわけではありませんから、自然界で肥満という状態が生ずることはないわけです。もちろん、ヒトが飼っているイヌやネコは狩りをするということは必要ないのですが、基本的にはスリムで敏捷な体型が身上の彼らは、肥満という元来許容されない体型と体質に対して十分な適応ができないのです。

実際に診察室で動物たちの抱えるトラブルと肥満度の関係を観察していますと、あまりにもその悪影響がクローズアップされて・・・やはり "肥満は大敵" と言わざるを得ないわけです。

多くの人間がそうであるように長寿の条件に肥満は含まれません。長生きの秘訣は太っていないというのが "定説!" です。

減量の仕方は別にお話しします。

一般的な病気のはなしの病気のメニューに戻ります Answer of Question About General Disease Infomation No.003
○マンションに住んでいる動物は予防をしなくてもいいの?
最近はマンションで暮らしているイヌやネコが増えています。

外の世界と隔離された空間で暮らしているため「いろいろな予防ってしなくても大丈夫じゃない!。」とおっしゃる方もおられるようです。

でも、実際には少し事情が違っています。 まず、ノミですが、これはよくヒトの衣服にくっついて持ち込まれてしまうようです。外出をしないネコさんを飼っているのに「家の中がノミだらけ!」ということで相談されることがあります。

フィラリアの予防に関しては、動物が一歩も外に出ないのであれば "蚊" が入ってこない限りはマンションの空間は予防に対してフリーです。でも、実際には「抱いて散歩している。」というような場合が多く、多くの方が予防薬を使っているのが現状です。

ジステンパーやパルボウイルス感染症、ネコの風邪などの伝染病を予防するための混合注射に関しては、他の動物と接触がない生活をしているわけですから、むしろ病気に対する免疫力が低下していることが多く、万一ペットホテルなどで病気の動物と接触があった場合には発病の危険が高くなってしまいます。最近は予防注射をしていない動物を預かってくれるペットホテルの方が珍しくなってしまっていますが。

最後に狂犬病ですが、これは生後90日以上のイヌを飼っている飼い主さんは毎年1回狂犬病の予防注射をして登録をすることが法律で決まっていますので、この件に関しては(他のぺージでも説明していますが・・・)選択の余地はありません。

もちろんですが、ネコさんやイヌさんが散歩に出る場合にはあらゆる住居形態においてすべての予防をお薦めします。

一般的な病気のはなしの病気のメニューに戻ります Answer of Question About General Disease Infomation No.004
○ときどき "けいれん" を起こします。
けいれんの発作というのは、動物には発作を起こしているときの意識がないのが普通です。人間の場合でも、自分が発作を起こしているという意識や記憶が無いのが普通なようです。それから、てんかんの発作のような場合、その発作の最中に亡くなってしまうということはほとんどありません。

注意しなくてはいけないのは、本人に意識がないために、間違って咬まれてしまったような場合、飼い主さんが大けがをしてしまうことがあることです。そのために体を触ったりするときには、タオルを使うなど十分な注意が必要です。

一般的な病気のはなしの病気のメニューに戻ります Answer of Question About General Disease Infomation No.005
○おう吐の原因
"おう吐" は動物が病気であることを発見するときのとてもわかりやすい症状のひとつです。

おう吐というのは、胃の中の物を口から吐き出すことですが、中には毛玉などが理由で生理的に吐いている場合もあります。それが起こる原因は多種多様です。ですから、"おう吐" だけで病気を診断することはできませんが重大な病気が隠れていることもあるわけです。

おう吐の原因には

・消化管に問題がある場合
  胃炎、潰瘍、胃拡張、ポリープ、妊娠などの外圧
  寄生虫、腸炎、異物や腫瘍による消化管の閉塞
  捻転、炎症、重積、毛玉、異物
・内臓疾患によるもの
  腹膜炎、肝臓病、腎臓病、膵臓病、尿閉塞、子宮蓄膿症、糖尿病
・食餌に問題がある場合
  食餌を変化させたとき、アレルギーがあるとき、草や異物を取り込んだとき
・薬物・毒物
  殺虫剤、除草剤、抗生物質
・神経的要因
  心因性(不安、ストレス、環境の変化)
・ホルモン異常による場合
  甲状腺機能亢進症、副腎皮質機能亢進症
・感染症等によるもの
  パルボウイルス感染症
・その他
  頭部の殴打
などなど・・・他にもおう吐の原因となるものは様々です。

あまり頻繁に繰り返すようであれば動物病院できちんと診てもらうことが大切です。

一般的な病気のはなしの病気のメニューに戻ります Answer of Question About General Disease Infomation No.006
○下痢の原因
動物が「病気だ!」とわかる一番多い症状は "下痢" です。
この "下痢" というのは、何らかの理由によって腸内の水分の吸収が低下するか、腸内に水分が過剰に分泌されて、便が水気を大量に含んで液状になってしまった状態をいいます。

下痢の原因には次のようなものがあります。

Ⅰ水溶性下痢(水分が過剰に含まれることで起こる下痢)
Ⅱ脂肪性下痢(便の中に脂肪が含まれている下痢)
Ⅲその他(消化管の運動が異常に更新することで起こる下痢)

具体的には、

・大腸菌やブドウ球菌などの毒素が原因で起こる下痢。
・細菌や原虫、ウイルスの侵入が原因起こる下痢。
・アレルギーや中毒、薬物などの刺激により起こる下痢。
・腫瘍(悪性リンパ腫)による下痢。
・吸収不良で浸透圧が変化して起こる下痢。
・通過障害によって起こる下痢。
・過敏性の下痢。
・ホルモン異常による下痢。
・神経性の下痢。
・膵臓や胆嚢の異常による下痢。
・腸の炎症により蠕動の亢進が起こる場合。
などなど・・・他にも下痢の原因となるものは様々です。

治療方法もそれぞれですので・・・、しつこい下痢やひどい下痢の場合はなるべく早く獣医さんの診察を受けましょう。

一般的な病気のはなしの病気のメニューに戻ります Answer of Question About General Disease Infomation No.007
○かゆみの原因
動物が痒みを訴えるときというのは、いろいろな理由があります。 それでも全体的に見ると「痒い!」ということで動物病院を訪れる動物の数は冬場に比べて夏場の方が圧倒的に多いということが言えます。

元々痒みを発現させる理由というのには次のようなものが考えられます。

外的原因
  ・煤煙などによる大気の汚染
  ・精神的なストレス
  ・アレルギーを起こす物質
  ・飼育環境によるもの
  ・ある種の栄養の不足
  ・薬物などに対する過敏症
  ・犬具によるかぶれや擦過傷
  ・紫外線の影響
  ・感染(寄生虫、真菌、細菌)

内的原因
  ・内分泌失調症
  ・免疫機能の異常
  ・疾病

ここで重要なことは、多くの場合動物がかゆみを訴える原因がひとつであることは少なくて、いくつかの要因が複合していることが多いということです。

痒みとか痛みというものを考える場合、"閾値" というものが重要です。閾値というのはどれくらいであれば感じないか、またはどこまでならば感じるかということですが、生き物が(痒いとか痛いという)感覚を自覚する範囲をいいます。

例えば、試しに私達の皮膚をつねったとき・・・ある程度の力を掛けると「痛い!」と感ずるわけですが、そこが痛みに対する閾値を越えたということになります。これはコップのようなもので、その中に痒みや痛みを起こす要因をどれくらい入れると症状を表す(溢れる)のかいう量が閾値ということになります。つまり、コップから溢れてしまうほど痒みや痛みの原因になるものの量が増えてしまうと「痒い!」とか「痛い!」とかの症状が発現してしまうわけです。

先に書きましたように痒みの原因になる要員というのは沢山ありますが、これに "暑さ" とか "湿気" などの要因が加わることで、それまでギリギリのところで痒みが発現しないで耐えていた動物が「痒い!」と訴えることになってしまうわけです。夏場に痒みが発現しやすいというのはこの理由によるものが大きいのです。

つまり、この溢れ出す状況を(溢れ出さないように)工夫することで、潜在的に痒みを発現する理由がいくつか存在していたとしても痒みの程度を減少させることができるということになるわけです。そこで、飼い主さんには、その要因をひとつでもふたつでも減らす努力をしていただくことで、愛犬や愛猫に快適に夏を過ごしてもらうことができるということになるわけです。

例えば、

・シャンプーで体を常に清潔にしておく(薬用シャンプーを使いましょう)。
・ノミやダニなどの寄生虫による影響を確実に排除する。
・紫外線の強い時間に散歩などに連れ出さないようにする。
・餌やおやつには十分注意し、なるべく変更を行わないようにする。
・乾燥した涼しい環境で暮らせるように工夫する。
など、いろいろ考えてあげていただくのがよいと思います。

なお、これでダメなものに "感染による皮膚炎" というのがあります。これは、主にブドウ球菌による皮膚の感染症による痒みです。シャンプーで清潔にしてはいてもこの感染症には抗生物質の援護射撃が必要です。できるだけ早く動物を痒みから解放してあげるためにぜひ動物病院に相談してください。

一般的な病気のはなしの病気のメニューに戻ります Answer of Question About General Disease Infomation No.007
○フィラリアの検査ってしなくてはダメですか?
フィラリアの予防というのはご存じのように月1回の予防薬の投与です。

毎年、予防薬を始めて投与するときには、愛犬が(万一)フィラリアの驚異に犯されていないかどうかの確認をしてから投薬を開始する必要があります。具体的には(恒例の)血液検査をすることになるのですが、毎年何人かの飼い主さんが薬を取りに来院されて、(どうしてなのかわかりませんが)「もう去年の薬の残りを飲ませはじめている。」というようなことを言われて・・・困惑やら、心配やらということがあります。

最近のフィラリアの予防薬というのは昔に比べるとものすごく安全な薬になっていますので、一昔前の薬のように「飲ませたら死んでしまった!」というような事故は起こりにくくなっているのですが、少なくとも昨年の予防の成果が確実に確認できるということと、愛犬の体の中にフィラリア(犬糸状虫)が存在していないということを確認しておく必要があります。「昨年はきちんと予防薬を飲ませたのに・・・」という実績がありながら、検査によって感染が確認されてしまうことが(ほんの少しですが)あります。それは、投薬期間が足りなかったり、投薬したつもりでも犬が吐き出してしまっていたり、体重の変動が激しくて予防薬の用量が足りなくなってしまっていたりというようなことがあり得るからです。

もちろん、フィラリアに罹ってしまっている場合でも、それ以降の感染を予防することで十分に愛犬を長生きさせることが可能ですが、そのためには、きちんとした検査を受けて愛犬の現実的な状況を正<確に把握しておくことが重要であることはいうまでもありません。

頂く血液の量はほんの少しですし、それほど時間がかかるわけではありませんので、せっかくお金を払ってまで予防をしようというわけですから、一年に1回の血液検査をどうかきちんと受けていただきたいと思います。

なお、同時に愛犬の全身の健康状態をチェックするための血液検査(血球検査と生化学検査)を希望される場合には、来院する当日の朝御飯を抜いた状態で来ていただく必要がありますので注意が必要です。また、動物病院によってはその件に関しては予約の必要がある場合もあるかも知れません(みこしば動物病院は予約の必要はありません)。

ジャンプメニューに戻ります ●病気の予防と看護の知識
Care Management

○朝ご飯の前に吐くんですが?
○減量の仕方
  ・減量対策の実際
  ・なぜ痩せないのか?
  ・減量食を使ってはいけない場合

・・・
・・・
○シャンプーするときの注意事項
  ・お湯の温度は?
  ・耳って洗っていいの?
  ・ヒトのシャンプーって使えるの?
  ・どれくらいの間隔で洗えばいいの?

○・・・
○・・・

病気の予防と看護の知識のメニューに戻ります Answer of Question About Care Management No.001
○朝ご飯の前に吐くんですが?
まず、体調に変化が起きていないかを確認してください。

「犬が吐く!」という相談を受けるとき、かなりたくさんのケースで「食餌の前に吐く」ということが言われます。食事の時間の少し前になると「ゲーッ」と胃液を吐いて・・・食餌を出すとまるで何事もなかったかのように元気でペロッと食べてしまう。 一般状態として犬の身体に異常が認められない場合、このようなことが起こる原因は習慣性の食餌期待症候群?でしょう。

これは犬が食事の時間が近づいていることを、チョウ(超)正確な体内時計を使って知ることができるということが第1の原因です。また、犬は「お手」や「お座り」だけでなく、あらゆる事が習慣になり易い動物ですが、それは何と "食事の時間" のようなものにも及ぶのです。それが第2の原因です。

"パブロフの犬" という呼び方で有名な実験があります。食餌の前にベルを鳴らす習慣を付けるとベルの音の刺激だけで犬がよだれを垂らす・・・というあの実験ですが、刺激がベルではなく "毎日の食事の時間" というだけの場合でもやはりそこに同じような習慣的な反応が現れます。つまり、食餌の時間が近づくと犬は "食べる" ということに対する期待としてよだれを分泌する習慣を獲得することになるわけです。そして、それは引き続いて胃液の分泌という現象を呼び起こすことになります。

胃液というのはとても酸性度が強く刺激の強い液体です。元々胃というのは酸に対してしっかりとした防護能を持っている臓器ですが、やはり大量に胃液が分泌された場合や小さくて問題にならない程度であっても胃炎や潰瘍などがある場合、あるいは散歩の時に草などを食べて・・・胃の壁に傷がついていたような場合には強い酸性の液体に胃壁が反応して反射性のおう吐を起こしてしまうことがあるのです。

このような場合、ほとんどが食欲を失うことはありませんし、元気や体調に変調をきたすことも見られません。とくに、毎日毎日きちんと同じ時間に食餌を用意しているような(まじめできちんとした飼い主さんの)場合、そのようなおう吐が顕著に現れるということが経験的にわかっています。

ただし、その対処法として食事の時間を早くすることはお勧めできません。今度は食事の時間が少しずつ早くなるということに対して期待を持つようになってしまうからです。そうすると・・・毎日食事の時間よりも少しだけ早い時間に "鳴いたり騒いだり!" といった新たな問題を引き起こしてしまうことがあるからです。

基本的な対処法としては、胃の調子を整えて胃液の分泌に対しても異常反応(おう吐)を起こしにくくするために草や異物などを食べさせないようにしましょう。また、1日2回の食餌を与えている場合には、前の晩の食事の時間を少し遅めにしていただいても良い結果が出ているようです。

(おう吐の原因のページも参照してください。)

病気の予防と看護の知識のメニューに戻ります Answer of Question About Care Management No.002
○減量の仕方
・減量対策の実際
実際の現場では・・・

私達が動物が肥満であることを告げると、飼い主さんからは
「え〜!。ササミと野菜しか食べさせていないのに!」とか
「いくらも食べていないよ〜!」とか
「1日3時間も散歩させているのに!」といったリアクションが多く、

それでも説得して痩せさせる方向に話が進むと
「どんな餌を使えばいいの?」
「運動は増やした方がいいの?」
「回数を減らせばいいの?」
といった質問が繰り返されていきます。

でも、数週間後に体重を量ってみると・・・痩せていません。

いかに減量といっても「食べない」わけにはいきません。
やはり食餌をとりながら減量に励むことになります。

では、具体的にはどうしたらよいのでしょうか。

・なぜ痩せないのか?
「太っているから。」ということで減量を始めても、しばらくしてもほとんど体重の変化が認められないか、一時体重が減量してもそのスピードがいったん止まってしまう・・・ということが多いのですが、多くの飼い主さんがこの段階で「こりゃダメだ!」とあきらめてしまう場合が一番多いのです。でも、これではいつまで経っても痩せることができません。

あるいは、少しでも減量ができると「もういいんじゃない?」ということで減量作戦をやめてしまうことでそのまま(目的の体重に達しないまま)体重減少が止まってしまうということもあります。

このような場合、気を付けなくては "リバウンド" です。 体というのは取り込まれた食餌の量や内容に合わせて吸収する効率を変化させいます。つまり体は栄養を吸収する際に、食べた食餌中に含まれている栄養分を常に100%吸収しているわけではないのです。少なく食餌をとったときには効率を上げ、たくさんものを食べたときにはそれなりに効率を下げることで急激な体重の増減が起こらないように調節をしているわけです。

「太っている!」ということで飼い主さん(私たちの場合もそうです)が動物に節食を行った場合、動物の体は(体重の減少が起こらないように)取り込まれる栄養の量が減ったことに合わせて栄養を吸収する効率を上げるように調整を始めます。(これが減量がうまくいかない理由でもあるわけですが、キッチリと減量を達成するためにはこの吸収効率が上昇した状態でも痩せてしまうほどに接種栄養量を減少させる必要があるわけです。)

ところが、「もういいだろう。」とか「減量ってうまくいかない!」ということで餌や食事の量が元に戻されてしまいますと・・・吸収効率が上がったままたくさんの量の食餌を処理することになってしまいますから、現状維持どころか却って "体重増加" を引き起こしてしまうことになってしまうわけです。

このように、減量というのは逆に体重を増加させてしまう可能性も持っているわけですから、減量作戦を成功させるためには、減量成功に向けてきちんとした認識と作戦(プログラム)をたてる必要があります。ただ量を減らしただけでは「お腹が減った!」という動物たちの要求に耐えることができませんし、キャベツやニンジンを煮て入れているというだけでは栄養のバランスに影響が出て体調が狂ってしまうこともあります。

動物病院では "痩せる" ために効率のよい食餌の選択や、よい結果を得るための効率のよいダイエット法のアドバイスもしています。無駄なく無理なく痩せるために・・・ぜひご相談ください。

なお、「減量!」、「減量!」ということで人間でも大流行の減量ですが、一方で減量をしてはいけない場合というのもありますので、注意も必要です。

・減量食を使ってはいけない場合

減量食を使ってはいけないときというのは次のような場合です。
(当たり前ですが)痩せている場合
成長途中の時期
妊娠・授乳中の時期
内臓に疾患のある場合
消耗が激しい場合
衰弱している場合

病気の予防と看護の知識のメニューに戻ります Answer of Question About Care Management No.005
○シャンプーするときの注意事項
・お湯の温度は?
多くの場合、シャンプーのときの「お湯の温度が高すぎる。」というのが実態です。
犬や猫の皮膚は私たち人間と比べて非常に薄いので、熱いお湯の影響をもろに受けてしまいます。シャンプーの後で皮膚が赤くなっていて痒がるというような場合、試みに濯ぎの時のお湯の温度をぬるくするだけで解消する場合もありますので、試してみてください。
・耳って洗っていいの?
大丈夫です。きちんと洗ってあげてください。「耳に水が入ると悪くなる・・・」などとも言われますが、本当は耳に水が入ったから悪くなったのではなくて、すでに悪くなっていた耳を洗ってから(悪いことに)気がついたり、事後処理が悪かったせいで炎症を起こしてしまったりということが多いのです。

シャンプーの前に耳の中をのぞき込んで「悪くなっていないか?」を点検してから洗うようにしましょう。耳垢や異臭など異常な状態を発見した場合は、シャンプーそのものを中止して先に動物病院に相談してください。

また、洗った後、「水を抜いてあげなくては。」ということで綿棒やタオルでゴシゴシ耳の中をこするのもいけません。そのときにできた小さな傷がもとで外耳炎などが起こってしまう可能性もあります。

・ヒトのシャンプーって使えるの?
使わない方がよいと思います。

ヒトのシャンプーはたくさんの界面活性剤を含んでいますので、汚れ落ちはよいのですが、一般的には犬や猫の皮膚は痛んでしまいます。動物病院で見せてもらったときに "きれいだけれど艶が無くてサラサラ" の状態の被毛をしている動物はヒトのシャンプーで洗われていることが多いようです。この場合、毛や皮膚の表面の状態が乾燥しすぎているのですが、これが原因でフケや痒みなどが出てしまうこともありますので、とくに皮膚が弱い場合には(動物用の)薬用シャンプーの使用を考慮してもよいと思います。

・どれくらいの間隔で洗えばいいの?
皮膚病など特別な理由があって、シャンプーを定期的に繰り返さなくてはいけない場合を除けば、それほど頻繁にあらわな違法がよいというのが結論です。動物の皮膚は皮脂腺といわれる毛穴から皮膚と毛を守るためのワックスが分泌されているのですが、これを「臭い!」という理由と「ベタベタする!という理由で必要以上に洗い落としてしまいますと却って皮膚や毛を痛めることになってしまいます。しかもそうすることでよけいに臭いが出たり痒みが出たりしてしまいますので、(とくに外へ散歩に行く場合は)月に2回程度におさえられればよいのですが・・・



ジャンプメニューに戻ります ●犬の病気について
Disease_Dog

◎予防について
  ○犬の予防って何ができるの
  ○フィラリアの予防って何月から何月まですればいいの?
  ○フィラリアはマンションなら予防しなくても大丈夫?
  ○狂犬病の予防注射ってどうして射たなくちゃいけないの?
  ○予防注射って射たないとダメですか?
  ○・・・
  ○・・・
  ○・・・
  ○・・・

◎病気について
  ○犬ですが、突然階段を下りられません。
  ○リブステーキの骨を食べさせたら、ゲーゲー吐いています。
  ○ノミアレルギーというのがあるのですか?
  ○・・・
  ○・・・
  ○・・・
  ○・・・
  ○・・・

犬の病気についてのメニューに戻ります Answer of Question About Dog Disease No.001
○フィラリアの予防って何月から何月まですればいいの?
フィラリア症の予防というのは、その犬が生活する住所地の地形や環境によって、あるいは気象等の理由によりその年の予防薬を投薬するべき期間というのが(厳密には)変動してしまいます。人の医療の方でも、それぞれの保健所から日本脳炎の予防のためにその地域に蚊が発生する時期というのが発表されています。つまり、地形や環境その他の理由で早めに蚊が出現する場所もありますし、何らかの理由で遅くまで蚊がいなくならない地域もあるわけです。

したがって、動物病院に通う患者さん達の住所地全部に対して適切な時期にお知らせを出すということがうまくいきませんので、病院からフィラリアの予防開始のお知らせを出す時期というのを少し早めに設定しています。それでも、「もう蚊が飛んでいた!」とか「自分が刺された!」ということで、お知らせを出す前に来院される飼い主さんもおられますので、予防開始のお知らせはあくまでも目安ということで判断していただくのがよいと思います。

実際には、蚊というのは、出てすぐに吸血をするというものでもないのですが、(早すぎるということはありませんので)遅れて予防が成立しないということの方が怖いと思います。

フィラリアの予防を開始するときには、前年度に(万が一にも)感染が成立していないということを確認するために血液検査をしています。予防をされた犬たちのほとんどは(もちろんですが)検査結果は大丈夫です。でも、ほんの一部にフィラリアの感染が(+)となってしまう犬もいます。この犬たちに感染が成立してしまった理由は「薬をちゃんと飲ませられなかった。」ことにつきます。

まず、「飲ませたつもりだったのに犬が自分で吐き出してしまっていた。」というもの。それから、「最後(秋)まできちんと飲ませなかった。」という理由です。

何年も検査をしていますと、秋まできちんと投薬しなかったということが理由でフィラリアの検査が(+)になってしまっていることが多いようです。たとえ、一回くらい飲ませるのを忘れてしまっても・・・あきらめてしまわないで秋までちゃんと飲ませてあげていただきたいと思います。

犬の病気についてのメニューに戻ります Answer of Question About Dog Disease No.002
○フィラリアはマンションなら予防しなくても大丈夫?
フィラリア(犬心臓糸状虫)という虫は最初は大変小さな虫で、数回の脱皮を繰り返しながら最終的に犬の心臓にたどり着くのですが、犬の体の中に入り込むためには蚊のお手伝いが必要なことはご存じの通りです。

最近の住宅事情を見ますと、家の中に蚊が飛んでいるような状況は(とくにマンションなどでは)考えづらいと思います。実際、犬が蚊に刺されなければこの病気の伝染は成立しませんので、単純に考えればマンションの中で飼われている犬にはフィラリアの予防薬を飲ませなくても問題がないということが言えます。

でも私たちの場合もそうであるように、外出したときや庭で用事をしているときなどに蚊に刺されてしまうということはよくあることです。実際多くの犬たちは "散歩" というかたちで外出をすることが日常的ですので、その際に蚊に刺されてしまって・・・予防薬を飲んでいなかったために感染→発病が成立してしまう可能性は否定できません。

事実 "発病" とまでは行かないまでも、春の血液検査の時に感染の事実が発見されたマンションで飼育されていたイヌさんというのが何頭か見つかっています。

予防薬の投薬にはお金がかかることですので、強制的にどうのこうのということは言えませんが、感染してしまってから治療に要する費用や愛犬の苦しみを考えますと、「マンションで飼われているイヌさんたちにもぜひ予防薬を飲ませていただきたい。」ということを申し上げるしかありません。

犬の病気についてのメニューに戻ります Answer of Question About Dog Disease No.003
○犬ですが、突然階段を下りられません。
「突然目が見えなくなってしまった?」という症状はいくつかのパターンが考えられます。

種類による特徴として "特発性網膜剥離症" という、びっくりするほど突然に目が見えなくなってしまう病気がミニチュアダックスフンドやキャバリア、シーズーなどの種類において確認されています。このような症状がみられたら・・・

高齢な犬によく起こるトラブルのひとつに、"白内障" というのがあります。それまではあまり躊躇することなく階段の上り下りをしていたのに、ある日からそれができなくなったり、散歩の途中で溝に落っこちてしまったり、夕暮れ時には歩く速度が遅くなってしまったりします。原因は老齢化によるものが多いですが、中には若い犬でもアトピー性皮膚炎などで目の周囲が炎症を起こすことから始まってしまうこともありますし、糖尿病などから始まってしまうこともあります。犬の顔を正面から目を見て、真ん中の瞳の部分が何となく薄白くなっていたら・・・

とりあえず動物病院に相談しに行きましょう。

犬の病気についてのメニューに戻ります Answer of Question About Dog Disease No.004
○リブステーキの骨を食べさせたら、ゲーゲー吐いています。
犬が骨を食べるというのは、やっかいなことを引き起こす可能性があります。

よくテレビなどで、アフリカの原野でライオンなどの大型の肉食獣によって食べられてしまった動物たちの残骸が残されているところが紹介されていますが、それを見ますと "骨格" は残されているのがわかります。骨は肉食獣にとっても食べ物として認識されていないことがわかります。一部ハイエナたちは強力な消化能力を持っていて "骨まで消化することができる" のですが、これは例外です。

でも、犬たちはこの骨・・・実は骨髄という骨の中の組織が・・・大好きです。 いわゆる、"骨シャブリ" ですが、困ったことにその時に骨のかけらを飲み込んでしまい、事故になってしまう場合があるわけです。このような場合の骨はたちの悪い "異物" です。犬の大きさ(厳密には腸の太さ)によって結果は変わるのですが、もしも上手に吐き戻すか、便と一緒に体外に排泄することができなかった場合には、お腹の中でひっかっかってしまうこともあります。異物は、内視鏡のようなもので口から取り出すことができる場合もありますが、問題を起こしている位置や動物の状態、あるいは物体の形状や大きさによってはお腹を切らなくてはいけないことにもなってしまいます。

(参考の項)

(参考)
過去に、取り出したことのある異物の一例

内視鏡で取り出すことのできたもの。
アイスクリームの棒
靴下
プラムの種
消しゴム
健康サンダルのユビの部分
糸付き縫い針
釣り針


お腹を切ることになってしまったもの
ハムをくるんでいた紐
釣り糸(テグス糸)
腸の中にまで行ってしまった縫い針
細く裂けたバスタオルの一部
糸付き縫い針(お腹を切ることになってしまった例もあるのです)

いずれにしてもお腹の中で異物が動物を苦しめてしまうことのないように・・・固いものや溶けないものなどは与えないことが肝心です。飲み込まなければこの様なトラブルは起こらないわけですから、こんなに簡単で確実な予防はありません。

犬の病気についてのメニューに戻ります Answer of Question About Dog Disease No.005
○ノミアレルギーというのがあるのですか?
近年人間でも大変な問題になっているアレルギー疾患ですが、犬や猫も同様に様々なアレルギー疾患に悩まされています。 その中で割とよく見られるものに "ノミアレルギー" という皮膚疾患があります。

「ノミ」というからには「ノミが居るし痒がっているからノミアレルギー?」と思われるかも知れませんが、実際にはちょっと複雑です。

一般に犬や猫の体にノミが居て・・・「刺されて痒い!」という状態は "ノミ刺傷(障)" と言うノミに吸血されたために痒みが起こっている状態です。これは原因となっているのがノミがしでかした "吸血" という行為によって起こるものですから、アレルギーではありません。

アレルギーというのは、ある刺激が体に加わったとき体がその刺激に対して抗体を作り、再度同じ刺激が体に加わった時にその刺激に対して過剰な反応が起こってしまうことを言います。つまり、春から夏にかけて「ノミが居て・・・刺されて痒い!」という状態は(未だ)ノミアレルギー性皮膚炎ではないのです。

実際、ノミの吸血による刺激が再三に渡って繰り返されていた時期には先ほどの "ノミ刺傷(障)" が起きて「痒がる!」状態が見られるのですが、体の中にはその刺激に対して作られた抗体(IgEと言います)が遅れて蓄積されていきます。そして、夏場を遙かにすぎて「もうほとんどノミが居ないのに!」ちょっとノミが刺しただけでも過剰に反応が起こってしまって・・・体の後ろの部分の毛が抜けてしまう「ノミアレルギー性皮膚炎」が発症するわけです。

これはヒトの "(杉)花粉症" でも同じです。本当は1月の後半や2月の前半から(杉)花粉が飛び始めるのですが、花粉症の症状が現れるのには少し時間がかかります。杉花粉に対して作られた抗体が体内で蓄積(抗体価が上がると言います)されて・・・過剰な反応として "鼻水" や "クシャミ" が現れてしまうわけです。

このように、ノミアレルギー性皮膚炎というのは、本当は信じられているよりも遅れて現れる病気なのです。

ただし、このような蘊蓄はともかくとして、ノミは居ない方がよいですし、いつの季節であってもノミには刺されない方がよいわけですから、周囲にノミが居ない環境を用意するのが理想的です。また、そのような環境は(野良猫さんたちの存在などで)容易には手に入るものでもありませんので、ノミに対する駆虫薬や予防薬などの適切な使用が必要です。

最近は非常に安全で効率の良い薬剤も出回っていますので、ぜひ動物病院に相談してみてください。

犬の病気についてのメニューに戻ります Answer of Question About Dog Disease No.006
○狂犬病の予防注射ってどうして射たなくちゃいけないの?
生き物を飼っていて一番怖いのは "病気!" 。

その中でも一番怖いのは "伝染病!" です。 それは、
「最愛の動物が死んでしまうかも・・・?!」知れないという可能性において、交通事故や悪性腫瘍などと並んで最も恐ろしい脅威のひとつです。

この伝染病というやっかいな相手を封じ込めるための方法というのは極めて地道な方法しかありません。その具体的な方法というのは、蔓延と発病の防止です。

まず大きな方法として、(稀ではあっても可能性を否定できない)諸外国から伝染病や寄生虫などの侵入に対して検疫や防疫という体制を整えて、水際でそれらの侵入を防いでいます。また、ひとたび伝染病の発生が確認された場合、その地域の人や動物の出入りと移動を制限することで病気の蔓延を防止し、被害の拡大を防ぐ処置を講ずることが必要です。

個別の方法として、自分自身と自分の家の犬や猫を伝染病の驚異から守るため、予防注射を接種することで(万一伝染病の病原に接触があったとしても)発病を防止することのできるよう予防的対策が必要です。

そして、有史以来から綿々と続く(ヒトも含めた)動物と病気との闘いの中で、私たちは多くの偽性を出しつつも地道な努力をつぎ込んでたくさんの病気を封印することに成功してきています。

例えば、日本の "狂犬病撲滅" はそのよい例です。

この狂犬病という病気、狂犬というイヌの病気のような名前が付いていますが、実は(ヒトや猫、ネズミや牛や馬、・・・もちろんイヌも含めて)ほ乳類という動物の仲間全体に感染発病の可能性のあるやっかいな病気です。感染が成立すると約2週間ほどで神経症状を伴った全身的な症状が発現しますが極めて治療に反応しにくく、患者はほぼ100%の割合で死亡します。その間、他の人や動物に感染を引き起こす可能性をまき散らかしながら死に至るまでの苦しむ様子があまりに熾烈で無惨なため、現在でも極めてたちの悪い人畜共通伝染病として恐れ続けられている病気です。

ところがこの病気、我が日本において最後に確認されたのはもう40年ほど前のことになります。飼い犬がこの病気にかかると、その飼い主が犬に噛まれることで感染し発病するということで、かつてはヒトとイヌの関係を決定的に壊滅(決別)させるかも知れない可能性を秘めた、 "重要" かつ "極ヤバ" の人畜共通伝染病であったにもかかわらず、イヌという動物が私たち人間社会にとって如何に有益であるかという(保護的)認識のもとに・・・、徹底した検疫の実施と国内で飼育されている犬に "予防注射と登録" を実行することで過去40年にも渡って国内での発生を防止することに成功してきているのです。

実は、このことは世界的に見ればまれにみる成果です。現在でも地球上の多くの国で厳然と猛威を振るい続けている狂犬病という伝染病がこれだけ長期間にわたって発生していないということは、日本という国が島国で防疫をしやすいという事実を差し引いたとしても、行政関係者と犬を飼っている者の認識と努力とによって成し遂げられた快挙ということができるわけです。

ジステンパーやパルボウイルス、あるいは猫のカゼの予防注射などが飼い主さんの任意で行われているのに対して、狂犬病の予防注射は飼い主さんたる人間の義務であり責任であるということが法律(狂犬病予防法)で決まっています。現在の段階ではこのやり方には選択の余地はありません。つまり、狂犬病の予防注射を「射つか?」、「射たないか?」という選択をすることが可能な状況ではないわけです。

普通イヌに予防注射を射つという場合、自分の家のイヌが病気にならないように予防注射を射つということがたてまえなのですが、狂犬病予防注射というのはそれとは考え方や取り組み方が全く違う発想です。飼い主は我が家の愛犬が狂犬病になってしまうと(飼い主である)自分たちが危ないので・・・法律で決めてまで予防注射を射たなければいけないことになっているわけです。

ただし、現代においてこの狂犬病の予防注射の実施に関しては議論が持ち上がっていることも事実です。

それは、過去40年間も発生を見ていない伝染病を怖がるあまり毎年注射をしてまで予防する必要があるのか?国内にはもう狂犬病のウイルスがないのであれば検疫だけを強化して、国内での注射はもう切り上げてもいいのではないか?などという議論です。

確かにこれらの意見には一理あります。前向きに検討していかなくてはならない問題ですし、その時期が来ていることも事実だと考えています。

事実、過去には春と秋の2回接種していた予防注射も1年に1回の接種というやり方に変わりましたし、イヌの登録ということで毎年登録料を払っていたやり方も一生涯に1回の登録ということになってきています。

でも、だからといって「もういいじゃないか。」ということで勝手に注射を止めてしまうわけにもいきません。きちんと状況を検討して、リスクを認識して、「これならば大丈夫!」という対応策を練り上げてからの改善ということになります。そうでなければ・・・万一の場合私たちの国はもう一度あの40年前の恐怖の時代に遡ってしまうことになりかねないわけです。

実際、「もう日本にはない!」と言われていた牛の "口蹄疫" という病気が敷き藁などに混入して輸入され牛に感染!。ほぼ一世紀ぶり(1908年以来)の発病が確認されたばかりです。さらに、近年神奈川県ではレプトスピラ症の発症が確認され伝染病に対する認識の必要性が再確認されたばかりです。やはり、何事も「大丈夫!」ということを言い切ることは難しく・・・いまのところ我が愛犬(と我が身)を守るのは確実なワクチンの接種という他にはないようです。

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○予防注射って射たないとダメですか?
このコーナーを読む前にひとつ前のコーナーに目を通しておかれることをおすすめします。

伝染病の怖さを改めてここでお話しをする必要はないと思います。(もう古い話ですが)世界大戦で死亡した戦死者の数よりもインフルエンザで死亡した人々の方が数が多かったという報告もあるとおり、"染る" 病気の怖さは格別です。

最近、人類が発明した一番有益な発明は "印刷" だったという集計報告がありましたが、近代において最も偉大な発明・発見のひとつが "ワクチン" であっただろうということを否定する(もちろん医師も含めてですが)獣医師はいないと思います。

近代、私たちの生活する環境は、多くの予防注射が開発されそれを接種されたことで(過去に比べて)劇的に安全な世界へと変貌しました。「流行った!」と言われれば「染る?!」という恐怖の時代は予防注射の開発に伴って過去のものとなりつつあります。

多くの子供を持つ親が自分たちの子供に対して積極的に予防注射を行うことで、過去においては驚異的であった多くの伝染病が極めて効率的に封じ込まれてきています。

これらの努力は、かつて猛威を振るった "天然痘" を "日本脳炎" を "麻疹" や "チフス" を極めて効果的に封じ込めてきた実績があります。それは地道ではあってもねばり強く継続されてきた "予防注射" の成果なのです。

「少なくとも病原菌がその地域に存在する限りはそれを取り込んで発病してしまうことが懸念されるので、そのようなことが起こらないようにワクチンを接種して防疫(予防)を行うという対策をとらない限りは発症する件数を減らすことができない!」というのがワクチネーションの基本的考え方です。

そして、これは犬や猫の世界においても全く同じことが言えます。

予防注射を射っていないから必ず伝染病に罹る・・・ということは言えませが、予防注射を射っていなかったから伝染病に罹った・・・ということは言えるわけです。

結論としては、"予防注射は射たないとダメ!" です。

たとえ、ヒトに染るような病気でないにしても
たとえ、不可抗力でもらってしまったとしても

(予防注射を受けさせなかったなどという)不用意な理由で愛犬や愛猫が生死の狭間をさまよったり・・・万一、死亡してしまったりした場合

それは「防ぐことができるものであった!」という事実だけが残ることになってしまうことになります。

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○犬の予防って何ができるの?
予防予防というけれど・・・ではどのようなことを予防というのか?

予防ということで考えられることは次のようにいくつかの種類があります。
1.予防注射や予防薬で伝染病を予防すること。
2.食事やシャンプーなどの日常管理で疾病や寄生虫の予防をすること。
3.きちんとしたしつけや訓練をすることで逸走やケガの予防をすること。

1.予防注射や予防薬で伝染病を予防すること。

現在日本で入手できる予防注射(ワクチン)には次のようなものがあります。

・犬ジステンパー
・犬パルボウイルス感染症
・犬伝染性肝炎(Type-1/Type-2)
・犬パラインフルエンザウイルス感染症
・犬レプトスピラ感染症(黄疸出血型/カニコーラ型)
・犬コロナウイルス感染症
・狂犬病
これらのワクチンはいくつかの種類を組み合わせて混合ワクチンとして製品化されているものと単独で注射するためのものなどメーカーやワクチンの種類によっていくつかのバリエーションがありますので、動物病院で詳しい説明を受けて下さい。

ちなみに猫の場合は、

・猫汎白血球減少症
・猫伝染性鼻気管炎
・猫カリシウイルス感染症
・猫白血病
・猫クラミジア感染症
の5種類の病気に対する予防注射があります。

猫の予防注射には白血病を除いた3種類を混合して製造されたワクチンと、4種類・5種類の混合などメーカーによって差異があります。接種の仕方は動物病院で確認してください。

予防薬として投薬することで効果が期待できるものには

・犬(猫)フィラリア症予防薬
・ノミ、ダニの駆虫薬
などがあります。

ただし、"虫下し" のような "寄生虫の駆虫薬" を漫然と飲ませてしまう飼い主さんがおられるのですが、この薬は定期的に予防薬として使うようなものではありませんので、必ず獣医さんの指示に従っていただきたい薬です。

2.食事やシャンプーなどの日常管理で疾病や寄生虫の予防をすること。

多くの病気を予防するという目的のために、日常的な生活環境や体の手入れ・食餌などといった基本的な事柄が大変重要な意味を持っていることは言うまでもありません。

環境の因子は

・温度が暑過ぎたり寒すぎたりしないか?
・環境が極端に湿っていたり乾いていたりしないか?
・小屋の広さは適当か?
・騒がしい環境でなく動物が落ち着いて寝ることができるか?
・衛生的な飼育環境であるか?
などがありますが、これらの環境がきちんと整備されていないと、熱射病や皮膚病あるいは精神的イライラなどの思わぬ事故や病気を引き起こしてしまうことがあるわけです。

体の手入れも同様です。
毛の長い動物の被毛がきちんと手入れされていないと毛玉や脱毛などの原因になってしまいます。シャンプーや櫛入れが滞ってしまいますと皮膚病の原因になったり、ノミやダニが繁殖してしまったりすることにもなります。定期的に櫛を入れシャンプーをすることで皮膚や毛のトラブルを予防することが可能ですし、動物の全身を観察することで思わぬ病気を早期に発見することにもなるわけです。

餌の問題も重要です。
やはり健康の源は食餌管理です。好き嫌いを許してしまって偏った栄養の食餌を長期間与え続けるようなことをすると、動物の基本的な健康さえも維持できないような虚弱な体を作ってしまうことになります。

塩分の強い食べ物を与えることで、心臓や腎臓の機能に悪い影響を及ぼしてしまうことも知っておかなくてはなりません。

また、いくつかの動植物を餌として使った場合、重度の貧血や中毒やひどい下痢などを引き起こしてしまうことも知られています。

健康を維持するための食餌が動物の体に病気をもたらしてしまうようなことはあってはならないわけですから、きちんとした食餌管理をすることも病気の予防をするという意味で重要な役割を担っているわけです。

3.きちんとしたしつけや訓練をすることで逸走やケガの予防をすること。

引き綱が切れて動物が飼い主さんのそばを離れてしまったり、 公園などで(本当はいけないのですが)放していたら呼んでも戻ってこなかったり、 犬が突然道路に飛び出してしまってヒヤッとしたり・・・

というような経験は多くの飼い主さんがお持ちだと思いますが、 交通事故に逢ってしまったり、犬同士の喧嘩が起こってしまったりという事故や事件に発展してしまうこともありますので、愛犬の引き綱はきちんと(首輪に!)着けておくようにしたいものです。

そして、万一犬が飼い主さんの手元から離れてしまった場合、呼んだらすぐに戻ってくるように約束事として繰り返し練習しておく必要があります。

また、全ての人や犬が我が家の愛犬に対して友好的であるとは限らないわけですから、たとえ飼い主さんが大丈夫だろうと考えたとしても引き綱を犬から外してしまうようなことはしつけ云々以前の問題です。

ジャンプメニューに戻ります ●猫の病気について
猫の病気

○予防注射があるのですか?
○猫のエイズって人間に染ります?
○遊んでいるうちに紐などを食べてしまいます。
○観葉植物を食べちゃうんですが
○うちの猫、最近水ばかり飲んでいますが?
○・・・
○・・・

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○予防注射があるのですか?
ネコの予防注射は、現在のところ4種類の病気を予防することができるように2タイプのワクチンが発売されています。

予防が可能な病気は

・猫ウイルス性鼻気管炎
・猫カリシウイルス感染症
・猫汎白血球減少症
・猫白血病ウイルス感染症
・猫クラミジア感染症
の5つです。

この内の猫ウイルス性鼻気管炎猫カリシウイルス感染症猫汎白血球減少症の3つの病気に関しては「ネコの3種混合ワクチン」と言われるもので、1本の注射で3種類の病気の予防が可能です。

一方、猫白血病ウイルス感染症に対する予防注射は、比較的最近になって発売されたのですが、この予防を行うためには、事前に猫白血病ウイルスに感染していないかどうかを確認するために血液検査をする必要があります。

また、特に最近になって「猫クラミジア感染症」という比較的注目されている病気の予防が可能になりました。

猫の年齢や過去の接種歴などによってワクチン接種の時期と回数などが変更になる場合がありますので、動物病院で確認してもらうのがよいでしょう。

猫の病気のメニューに戻ります Answer of Question About Cat Disease No.002
○猫のエイズって人間に染ります?
うつりません!。

「猫のエイズ」という病気は、正しくは「ネコ免疫不全ウイルス(Feline Immunodeficiency Virus:FIV)感染症」と言いますが、このウイルスはレトロウイルス科レンチウイルス属に属し、人の後天性免疫不全症(HIV)の原因であるヒト免疫不全ウイルスと遺伝子構造に共通性があります。

しかし、それぞれのウイルスの伝播に関しては、抗原的な共通性がないために、ネコ → ヒト の感染は成立しません。

つまり、ウイルスにも好きな相手と嫌いな相手があって、猫が好きな猫免疫不全ウイルスはヒトに対しては伝染したり発病をさせたりする力がないわけです。また、インフルエンザのようなウイルスで伝播するヒトの病気も同じ理由でネコを発病させることはありません。

猫の病気のメニューに戻ります Answer of Question About Cat Disease No.003
○遊んでいるうちに紐などを食べてしまいます。
猫は "紐状のもの" が大好きです。長い(ヘビのような)紐状のものは構っているうちによく飲み込んでしまいます。

それから、カシャカシャ音のするビニールやパラフィン、スーパーマーケットでくれる袋など・・・遊んでいるうちに飲み込んでしまうこともあります。

これらがお腹の中に入ってしまうと、腸の中で動きがとれなくなってしまって・・・大騒ぎになってしまうことがあるわけです。普段から、このようなものが好きな猫を飼っているおうちの場合、とにかく "しまい込む" こと以外に対策はなさそうです。(参考の項も参照↑)

猫の病気のメニューに戻ります Answer of Question About Cat Disease No.004
○観葉植物を食べちゃうんですが・・・
植物の中には "毒をもっているもの" や "中毒を起こすもの" があります。

有名なものはスズランやユリ属、ネギ属などもダメです。観葉植物の中には毒だけでなく形状的におう吐を誘発してしまうようなものもあります。折り鶴ランなどは(うちの病院のもそうですが)猫は好きで穂先の部分をみんな食べてしまいます。それで、胃が刺激されて・・・ゲーゲーしてしまうことになってしまいます。ちなみに我が家では(猫のせいで)観葉植物などは置いてありません。

猫の病気のメニューに戻ります Answer of Question About Cat Disease No.005
○うちの猫、最近水ばかり飲んでいますが?
ネコは、健康な場合あまり水を飲みません。水分の多い食餌をもらっているような場合にはほとんど水を飲まないので飼い主さんが「うちの猫は水が嫌いで・・・」などとおっしゃることもよくあります。もちろんドライキャットフードのような食餌を使っている場合は水を飲むことは当たり前ですが、それでも人や犬などに比べれば大した量ではありません。

ところが、ある頃から「用意しておいた飲み水がどんどん減っている!」というようなことが見られることがあります。前に言いましたように、餌をネコ缶からドライフードに変えたというような場合にはそのようなことが見られても正常なわけですが、「それにしてもどんどん水を飲んでいる!」というような場合には、とりあえず一度検査を受けられることをお勧めします。

たとえば、高齢でたくさんお水を飲むようになってしまったような場合、 "腎不全" のような病気も考えられます。し、不妊手術の終わっていないメスの場合は、 "子宮蓄膿症" 、それから、いくつかのホルモン異常も考えられます。他にもいろいろあるのですが、最近は検査で病気を特定することが可能ですので、早めに動物病院に相談しましょう。


- UP -

このホームページに掲載している動物の病気や予防の解説、管理やしつけに関する情報はあくまでも一般的な事象として記述しています。したがって、すでに動物病院で治療を受けている動物の病状の解説としては使えません。また、現時点で体調を崩している動物がいて、その動物を動物病院に連れて行くべきかどうかという判断の材料にも使えません。実際に病気の動物がいる場合には、いずれにしても早期に獣医師による診察を受け、その指示に従ってください。また、このホームページの記事の内容から得られた情報を使用したことに起因する損害等の発生あるいはその可能性に関しましては作者は責任を負うことができませんので、情報等の使用に関しましてはくれぐれも参考としてご利用をいただきたくお願い致します。