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●心得帳シリーズ (注意事項)


ここでは、動物の管理に関する質問に答えています。
内容は、2タイプ5つのコーナーに分かれていますが、場合によっては他のコーナーの内容も有用な情報になることもありますので、できるだけたくさんの情報を読んでみてください。

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●飼い主初心者の心得帳
  ◎犬や猫を飼う前に考えておくこと。
  ◎お家に新しく子犬や子猫が来た日:
  ◎さあこれから・・・の管理の基本:

●管理の達人になるための心得帳
  ◎日常の管理の知識:
  ◎ちょっときわどい蘊蓄のページ
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Fast Step

○まず、動物病院に相談に行くこと!
○犬と猫はどちらが飼いやすいの?
  ・犬って?
  ・猫って?
○オスとメス・・・どっちを飼ったらよいの?
○生まれてすぐの方が飼いやすいの?
○種類で選ぶ方法ってあるの?
○雑種の方が強いって本当?


犬や猫を飼う前に考えておくことのメニューに戻ります。 Answer of Question About Prearrange No.001
○まず、動物病院に相談に行くこと!
実際、動物病院で仕事をしていると
「このお家の人たちは猫を飼った方がよかったのでは?」と考えさせられるような・・・犬を連れて来院する飼い主さんや
「この家には犬!」と思えて仕方がないのだけれど・・・"猫を飼っている"お家というのがあります。

動物を飼うことというのはそれだけでかなり楽しいですし、暮らしを豊かにするという意味でも価値のあることなのですが、その価値をもっと有意義なものにするためにも、動物病院はお役に立つことができるかも知れません。

「次に動物を飼うときには犬と猫のどちらにしようか?」という疑問をお持ちの方は、是非一度動物病院を訪ねてみてください。たくさんの犬と猫を飼っている人々にあったことのある獣医師は必ずよいアドバイスをしてくれるはずです。

犬や猫を飼う前に考えておくことのメニューに戻ります。 Answer of Question About Prearrange No.002
○犬と猫はどちらが飼いやすいの?
・「犬を飼いたい!」という人と「猫を飼いたい!」という人では動物を飼おうとする基本的な部分の考え方が若干違っているような気がします。

・「犬を飼いたい!」という場合、ほとんどの方が活動的なイメージを持っておられるように感じます。事実、犬を飼われた方々が楽しみにしていることというのは、
「一緒に散歩をしたい。」
「公園でみんなと遊びたい。」
「犬を飼っている人たちと友達になりたい。」
「シャンプーやカット(手入れ)をしてきれいな犬を飼いたい。」
「しつけや訓練をして楽しみたい。」
といった積極的な生活をしておられるようです。

・一方、「猫を飼っている!」とおっしゃる方々の多くは少し静的なイメージで猫を捉えていることが多いようです。
「触っていると落ち着く。」
「部屋にいるだけで安心。」
「ドタバタと煩わしいところがない。」
「勝手なところがかわいい。」
などの声を聞くことができます。

・犬と猫でどちらが飼い易いということは一概には言えないのですが、(言葉にすると少しわかり辛いかも知れませんが)ご自分が動物たちとどのようなつきあい方をしたいのかということで考えていただくのがよいと思います。

・犬って?

犬は飼い主さんにかなり積極的な対応を求めます。
世話をしてもらいたい。
遊んでもらいたい。
いつでも自分のことを見ていてもらいたい。
リーダーシップを発揮して自分を導いてもらいたい。

といったかなり積極的な要求です。

・要するに。犬の場合は飼い主さんと心理的・肉体的関係を積極的に共有することで、より楽しく明るく元気な生活を送ることができるわけです。犬を飼うということは、自分の病院ではよく言うのですが、「犬というのは盆栽みたいなもので、(飼った)最初の段階からなるべく将来を見据えて、ひとつひとつの枝(性格や気質)を管理していく必要がある。都合の悪い部分のような "出る枝" は出過ぎないように、伸ばしていきたい従順性などの "出ない枝" は引き出すように、手入れをし、励まし、誉めて、そして大事なことですが、叱って・・・(まるで人間の子供を一人育てるように)育てて行かなくてはならない。」のです。でも、「そんな大変なことなら猫の方がいいんじゃないの?」と思わないでください。このことがもたらす毎日の生活における充実感や満足感は他に比べるものがないほど楽しいものだからです。

・で、最後のリーダーシップの件ですが、最近犬を飼っておられる飼い主さんたちの中でこの問題が最大の関心事として浮上してきています。リーダーシップを発揮して犬をコントロールすること・・・、そのことこそが犬を飼う最大の楽しみであり醍醐味なわけですが、実はこの部分で犬とのコミュニケーションが上手にとれなかったために、返って大変な思いをしてしまったり、泣く泣く愛犬を手放さざるを得なくなるような悲劇的な結末を迎えてしまうこともあるわけです。でも、この愛犬とのコミュニケーションを上手に手に入れることで・・・あの名犬ラッシーが我が家でも手にはいるわけですから、この楽しみは "極上" です。

・犬というのは、人の側からも犬の側からもどんどん接触を持つことで、楽しい、うれしい気持ちを高めあって、その喜びを表現しあうような・・・アクティブなコミュニケーションを望む人々にとってはまさに至上のパートナーです。

動物病院では飼い主さんと愛犬とのコミュニケーションやしつけに関する質問に答えることや実地指導などを積極的に行っています。その一部はこのホームページでも大きく取り上げていますし、どんどん新しい情報を提供し続けていかなくてはならない重要な問題です。この件に関しては、 >> 困ったさんの退治の仕方:犬編 を参照してください。

・猫って?

一方、猫の場合は犬の場合ほど積極的な関係を飼い主さんに求めない代わりに、猫自身にとって快適な環境を大事にしているようです。

・猫はよく「身勝手」で「孤独を愛する」と言われるように、飼い主さんとあまりベタベタした関係を好むことは少なく、いわゆる「その辺にいる」というのが基本的な生活ぶりです。この「その辺にいる」というのが猫好きにしてみれば無上の喜びであり、これほどまでに好まれている理由のひとつなのです。

・猫好きの人は猫が快適に暮らしている状態を見て「幸せを感じる」ことが多く、犬の場合のように犬と飼い主が協力して楽しい生活空間を作りだしていくというよりも、同居意識的な意味合いの方が強いという見方もできると思います。

・自分の体を全て積極的に使ってコミュニケーションをとる犬と比べて、猫の場合は表現が乏しいということがよく言われますが、たしかに犬ほどは積極的でないにしても一応の感情表現は全て持ち合わせています。ただ、その表現の仕方がわかり難いということだけなのです。

犬にするか?猫にするか?という問題の回答は、ある意味ではとても簡単です。

・引き綱をもって外で犬と遊びたいか?
・タオルやボールなどで引っ張りっこや追いかけっこをしたいか?
・「呼んだら来る」とか「座れる」とか・・・いろいろ言うことを聞いてほしいか?
・家にいつでも人が居て、面倒をみたり声をかけることができる。
・黙って見ているより声をかけてコミュニケーションをとりたいか?
・「ニャー」より「ワンワン」が好き。

この場合は "犬" ですし、

・家の中に動物がいると感じるだけでうれしい。
・家の中でドタバタ暴れることはしたくない。
・ベタベタした関係は得意でない。
・外出が多く、いつでも家に居られるわけではない。
・「ワンワン」より「ニャー」が好き。

この場合は、"猫" です。

犬や猫を飼う前に考えておくことのメニューに戻ります。 Answer of Question About Prearrange No.003
○オスとメス・・・どっちを飼ったらよいの?
・答えは、「飼いたい方を素直に選ぶ。」ということです。えっ?「答えになっていない?」・・・では、少しだけ情報を提供します。

実際には、「オスのイヌが欲しい!」と考えている人に「メスの方が飼い易いですよ。」というお話しをしても、ほとんどの場合聞き入れていただけません。それは、その方が「オスが好きだ!」からです。また、「メスの方がかわいい!」と考えている方に「オスは立派で・・・」というお話しをしてもダメなことが多いのです。でもこの場合は、飼い主さんが好きな方を手に入れることになるわけですから、実際に問題になることはほとんどありません。

ところが、動物病院で仕事をしていますと、「こんなハズじゃなかった!」という飼い主さんに遭遇することがあります。それは、「オスは子どもを生まないから飼い易いだろうと思った。」とか「元気でよく番をしそうだからオスにした。」などという場合です。「メスは小柄だから扱いやすいだろうと思ったのに、オスほどおもしろくない!」と言われた飼い主さんもおられました。

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先ず問題なのは、子供を産まないからメスよりもオスの方が良いという(昔ながらの)考え方ですが、現代にはあまり当てはまらない理屈な様です。

もう四半世紀以上も前の時代、日本のたくさんの家ではイヌは放し飼いに近い状態で暮らしていました。当時は犬の不妊・去勢手術というのがそれほど一般的なものではなく、近所のメス犬に発情の時期が来るとオス犬のほとんどが(鳴いてうるさいという理由で)夜になると外に放され、発情中で繋がれ放しのメス犬はシーズン毎に子犬を産んで・・・ということが繰り返されていた時代があったわけです。(同じ時代背景の中で "散歩" という習慣が生まれてきました。この件に関しては別のページでお話ししていますので読んでみてください。)

そんなことなら手の掛からないオスの方が良い(得)じゃないか」ということで「飼うならオス!」という図式が生じ、いつの間にか定着してしまったわけです。でも、夜に犬を放し飼いにすることは今は法律で禁じられてしまいましたし、まして現代の交通事情ではそんなことをしたらすぐに犬が交通事故にあってしまいます。そのようなわけで犬が夜間に放浪するという習慣は現在では(残念ながら全くなくなったわけではありませんが)激減していますし、多くの犬が避妊・去勢手術を受けることが(むしろ)当たり前のようになった現代では、子供を産まないという理由でオスを選ぶ必要はほとんどなくなっていると考えて良いわけです。むしろ、子供を産まないのであればメスの方が優しくて小柄で飼い易いという事実も認識する必要があると思います。

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一方、「よく番をするだろう」ということでオスを選んだ場合、たまたまそのイヌが非常に自分の縄張りに対するこだわりを持っているなどの理由で、訪ねてきた人に向かって必要以上に吠えたり暴れたり・・・時には「噛みついてしまった!」というようなことが起きてしまう場合があります。

犬が番をするということは、守るべき場所に犬を置いておいて、そこに何かしらの(悪意を携えた)目的を持って侵入してきた輩から、飼い主の生命や財産を守るために、犬に報知や撃退のための仕事をしてもらうということです。特に、オス犬の場合は縄張りに対する固執が強いため「よく守る」という理由で昔から「番犬ならオス!」という風潮がありました。

このような時代背景から四半世紀以上前には、「泥棒に噛みついて撃退した犬!」が "名犬" だと呼ばれる時代があったことも事実ですが、現在ではそのような目的で犬をけしかけたり噛みつかせたりすると(たとえ相手が泥棒であっても)飼い主さんや犬が罰を受けたり賠償を請求されるなどの措置がとられることがあり得るような状況が生じています。(泥棒や強盗に人権があるかどうかわかりませんが)行き過ぎた犬の使用は「問題だ!」と捉えられている現代考証として、何か問題があったら "それに反応してよく鳴く" メス犬の飼養の方が適切であったという場合もあるのかもしれません。

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「オスの方がメスよりも飼ったときにおもしろいか?」 どの部分をおもしろいと取るか、それは人によっていろいろですから難しいのですが、自分の場合を考えても・・・「オスの方がおもしろい。」と言えるかもしれません。

理由は、オスの方が「子どもっぽい」からです。 僕は、人類の中ではオスに分類される存在なのですが、やはり同じ年齢で比べますとメスの方が大人・・・落ち着いている感じは否めません。実際、うちの奥さんは僕よりも3歳ほど年が若いのですがそれでも社会的に家族的に個人的に(年齢的に)僕よりはずっと真面目ですし落ち着いています。「それは、お前がわがままで自分勝手だからじゃないか!」と言われればそれまでですが、事実、生物学的にもオスはメスに比べて幼いという研究も存在するのです。(出典については思い出せません。すみません。)

「メスは現実的で遊興に対して省く精神的余裕(マージン)が少ないと感じる。」のは生物学的にも合理的な事実です。たとえ、お父さんは "チャランポラン" でも・・・お母さんがしっかりしていれば(ほとんどのお家は)大丈夫なわけです。でも、お母さんもストレスは受けているわけですから、やはり生物学的にメスは(同じように大人に成長していても)、オスに比べてストレスに対して強い体質を持っているということが言えると思います。

元々体質的にストレスを受け取りやすいオスは(言い訳ですが)子どもっぽくて小さな刺激にもウキウキと反応してしまって・・・ストレスを解消してしまえるような事象には敏感に反応します。

したがって、「元気で明るい!」という表現を単純明快に表しているのはオスの方かもしれません。好き嫌いは分かれますが、オスとメスのどちらがよいのかという問題は一概には言い切れるものではありません。

もしも、これから飼う動物のオスとメスの選択を決めかねている(近未来飼い主予備軍の)あなた!、ぜひ、動物病院を訪ねて・・・いろいろなケースを想定してじっくり相談してください。

犬や猫を飼う前に考えておくことのメニューに戻ります。 Answer of Question About Prearrange No.004
○生まれてすぐの方が飼いやすいの?
まだ目が見えないような子猫を拾ってしまった。
親が面倒をみない子犬を引き取って育てることになった。

・・・

このような理由があって(おおむね仕方なく)飼育を始めることになってしまった場合を除いて、生まれてすぐの段階の子犬や子猫を親から引き離して飼い始めるようなことはしてはいけません。

一昔前は、「ネコは目が開かない内に飼い始めないとなつかない。」とか「イヌは早く親から放した方がいい。」などということが言われ、実際にそうしていた時代もありましたし、現在でもそのような意見を聞く機会があるのも事実です。

でも、近年 "動物行動学" という学問が進歩したことにより意見に対しては否定的です。 まぁ学問を引っ張り出すまでもなく、年端もいかない子どもを早期に親から引き離す方が良い理由など元々あるはずがないのですが・・・。つまり、(少なくとも親が子どもを育てることができなくなってしまった場合を除いて)極端に幼い子犬や子猫を母親から引き離すのは飼い易いかどうかという議論以前の問題です。

でも、実際はきちんと親に育ててもらっている子犬や子猫の方が飼い易いですよ。

この件に関しては別の項目でもう少しお話ししています。

犬や猫を飼う前に考えておくことのメニューに戻ります。 Answer of Question About Prearrange No.005
○種類で選ぶ方法ってあるの?
イヌやネコを選ぶ場合、「これ!」という犬種や猫種がすでに決まっている場合はそれでよいのですが、飼いたいのだけれど「どれがいいのかわからない。」という段階では、まず "色" や "かたち" から入ってしまうことが多いと思います。「写真で見たあのイヌ!」とか「雑誌で見たあのネコ!」という漠然としたイメージがある場合がそれです。

この場合はご自分の好きな色やかたちで動物の種類を選ぶことになりますが、すこし心配な部分もあります。それは、実際にその犬種や猫種を飼ってみたときに「思っていたのとは違う。」ことがあるからです。

「大きくて立派だ」と思って飼ってみたら、実際には思いの外臆病で神経質だったり、
「かわいいし、きれい」だと思って飼い始めてみたら、ものすごく鳴いて大変な思いをしたとか、
「小さくておとなしそう」だと思って一緒に暮らし始めてみたら、一日中家の中を走り回っていて手が付けられなかったり、

・・・

「それはしつけの問題だろう。」と考えられるかもしれません。実際そうであることも事実ですが、すべての飼い主さんが訓練士なみの知識や技術をお持ちなわけではないですし、そこまで厳格な姿勢でイヌやネコに接したいと考えているわけではないというのが現状です。したがって、最初からわかっていることはなるべく情報として持っておいて、あとで「失敗した!」とか「あっちの方が良かった?」というようなことにならないようにしたいわけです。

そこで、イヌやネコを選ぶときには

目的に合わせた種類で選ぶ!

ことをお薦めするわけです。

その「目的」ですが、ほとんどの場合イヌやネコを飼う目的は「一緒に住んで楽しく暮らしたい」からです。「じゃあ、自分の気に入った色とかたちで選べばいいじゃないか。」ということになりかねませんが、ここではもう少し話を進めて、自分たちのニーズにあった犬種や猫種というのがあるのであればそれを選ぶことがあとあと(飼い主さんにとって)有利になるだろうと考えているわけです。

まず、イヌやネコという動物が人の手によって作出された生き物であるということが重要です。なぜならば、ひとつひとつの種類にはその作出意図が存在するからです。

(イヌに対する記述が多くなってしまいますが基本的にはネコの場合も同様です)

イヌは、その祖先を選択育種することで
あるものは、家や倉庫の番に
あるものは、羊や牛の番に
あるものは、鳥猟犬に
あるものは、獣猟犬に
あるものは、害獣の駆除に
あるものは、抱いたり触ったりするための愛玩犬に

それぞれ目的にあった大きさや形態を手に入れるためにヒトによってわざわざ作出されてきたわけです。時が経って、現在それらのイヌたちは名前は残っていても本来の目的に使われるために飼育されていることはほとんどなくなってしまいました。イヌが番をしなければならないお屋敷はセキュリティー会社の警備員に、牧畜を支えた牧羊犬もほとんどは機械にその役割を譲り、狩猟という生活の手段も現在ではスポーツ化してしまってイヌの出る幕はきわめて少なくなってしまいました。

しかしながら、イヌそのものが先祖から受け継いでいる様々な能力は、熱心な繁殖者によって保存され育種によって綿々と受け継がれているのです。

ここでビーグル犬という種類のイヌを例に少しお話しをします。ビーグル犬は家庭犬としてよく均整のとれた人気の犬種ですが、実は本来必要に迫られて作出された仕様がこのような影響もあるということも知っていただきたいのです。

よく知られていることですが、例えばビーグル犬は猟犬です。このイヌは藪や草原の中から小動物を追い出して、ご主人に猟をさせるために一日中精力的に走り回ります。このイヌは、そのためにいくつかの独特で特徴的な仕様を備えています。先ず藪の中を動きやすくするために低めに作られた体です。10インチとか13インチという足先から肩までの高さがそれを物語ります。でも、藪の中のどこにイヌがいるのかがわからなければ間違って射ってしまったり、獲物を追い出す方向が解り辛くなってしまいますから、頭よりもずっと高く掲げられた尻尾がついていて、しかもその先が白い毛で目立ちやすくなっています。藪の中でケガをしないように耳は垂れていて、短毛の被毛は草の実が付きにくく手入れがしやすくなっています。

こう書くと良いことだらけの犬種のようですが、実際にはこれらの仕様は現代においてはいくつかの気を付けておくべき事柄が存在するのです。

まず、猟犬で獲物を探し出すことが上手なこのイヌは現代の家族の家庭犬としてみると、散策好きでどんどん自分のペースで植え込みの中などに頭をつっこんでしまい、飼い主さんの脇を上手に歩くことを教えるのにかなり時間と体力が必要です。
垂れた耳は、その中で汗と脂と細菌や酵母菌などが混在して難治性の外耳炎などを引き起こしてしまいます。
太くて長い尻尾はバンバン振り回している内に家具の角などにあたって大出血してしまうこともあります。
そして、最大の問題はその「声」です。彼らは獲物を追い出すために大きな声で鳴きながら走り回るのが仕事です。そのため、道で他の動物にあったときにも獲物の存在をご主人様に知らせるために大声で鳴きだしてしまうことがあります。実際、動物病院で「鳴き声が近所迷惑で・・・」ということで相談を受ける犬種の代表がこのビーグル犬とかシェルティーなどの犬種です。

話はそれますが、シェルティーというのは牧羊犬で羊を追って牧畜のお手伝いをする有能で頭の良いイヌです。しかしながら彼らは体が小さいため自分よりも大きな羊に対して能力を発揮するため・・・つまり羊を追い立てるために大変甲高い声で鳴きながら仕事をするタイプのイヌです。ですから、私たちのように都会で生活をする家に暮らしていても、動く者や不審な物音に対して敏感に反応して鳴きます。また、(体が小さいですから)羊の背中に飛び乗って細くて(羊が傷つかない程度の)小さな口で噛みついて羊たちを集めたり追い込んだりします。シェルティーがピョンピョン地面から飛び上がって自分をアピールしているところや激しい動きをする相手に向かって無意識に口が出てしまったりするのはそのようなDNAを持っているからです。

話を元に戻し増すが、ビーグル犬や今のシェルティーもそうですが、本来イヌがある目的を持って作出された以上その犬種を維持しようとすると、形だけでなく遺伝的な能力も継続されていると考えるのが正しいわけです。

つまり、ある飼い主さんの飼育環境(例えばマンションなど)で「よく鳴くイヌや、鳴き声が大きいのはまずい。」という条件があった場合、元々鳴くことが得意なために人間に利用されてきた犬種というのは、たとえその飼い主さんがどんなにその犬種の色やかたちが気に入っていても「望ましくない犬種」と言わざるを得ないわけです。

このことは、住む家の大きさや飼い主さんがイヌのために費やすことのできる時間の多少などにおいても応用することができます。やはりあまり大きくない家の中でセッターなどのイヌを飼うことはお薦めできませんが、セッターよりももっと大きな犬種でも狭い家で飼える種類というのは存在します。また、甘えたがりでより積極的に飼い主さんとのコミュニケーションを望むタイプのイヌはあまり長時間イヌと接する時間をとれない場合には問題を生じてしまうことになるかもしれません。

それから、同じ体重が30kgのイヌでも、犬種(作出された目的)によって散歩の時の歩く速さが違いますし、長距離を走りたいイヌもいれば、歩くのが得意なイヌもいるわけです。

また、他のイヌのことが好きでない犬種というのもあります。過去に闘犬などを目的に作出された犬種などでは他のイヌを襲うことを何とも思っていないものもいます・・・もちろんこれはそのイヌには何の責任もないのですが・・・そのような犬種を愛犬として公園デビューを目指してもうまくいくはずがありません。

近年、スピッツという犬種が改良を受けています。私たちが子どもの頃は純粋種といえばスピッツと決まっていたような時代でした。真っ白で愛くるしくて、でも・・・ものすごく鳴いた!。それでだんだん少なくなってしまいました。ここ何年も病院のカルテにスピッツという種類が存在していなかった動物病院も沢山あるのではないでしょうか。ところが、ここに来て(あまり)鳴かないスピッツが現れた。やはりかわいいですから、また流行るといいのですが、このような積極的な改良には大賛成なのですが・・・。

このイヌの種類とその特徴の件に関しては言い出せばキリがありません。
「この犬種は?」、「あの犬種は?」ということを全部書けばそれだけでホームページになってしまうでしょう。そして、本当に自分の家にぴったりの犬種を探そうとすれば、獣医さんやペットショップの方に十分相談に乗ってもらうのが一番です。

獣医さんは飼ってしまった動物や飼い主さんの面倒を見るのが仕事ですから、事前によい条件でイヌやネコを手に入れてもらった方がよいに決まっていますので、積極的に相談に乗ってもらえるはずですし、最近は「売れれば何でもいいや」ということではなく、飼い主さんのいろいろな事情も含めてこまめに相談に乗っているようなペットショップも増えています。

「でも、もう飼ってしまったけれど!?」という場合でも、このことは応用することが可能です。彼らとうまくやるためには、その犬種に独特に備わっている仕様を十分理解しておけばよいわけです。
つまり、
「この種類は性格的に強い部分がある。」
「この犬種は皮膚病で悩むことがよくある。」
「この犬種は心臓に問題が出ることがある。」
というようなことを知識として持っておくわけです。

で、性格的に強い部分がある場合にはきちんとしたしつけや訓練の徹底を図り、耳や皮膚などのような体質的に弱い部分がある場合には(動物病院との連携で)投薬やシャンプーなどのケアが必要かもしれないという予定(覚悟)をしておけばよいわけです。そのためにも、子犬や子猫を飼ったらなるべく早く動物病院に相談して、その犬種や猫種に特徴的なことというのを説明してもらっておくのがよいわけです。

犬や猫を飼う前に考えておくことのメニューに戻ります。 Answer of Question About Prearrange No.008
○雑種の方が強いって本当?
皮膚病や下痢などでしょっちゅう動物病院でお会いする飼い主さんから「雑種だったら強かったのかしら・・・」などと言われることがあります。

この話題はかなり昔からあった話題です。

この "雑種=強い" という外捻ですが、
昔から雑種の犬は純粋種の犬に比べて、外で繋ぎ放しにされて暮らしていたり、食べるものも粗末なものをもらっていたりで、いろいろ不利な条件で飼われているにも係わらず元気で暮らしている・・・ように見えたことから「雑種の方が丈夫で長持ちする」というようなことが言われてきました。これは、種の保存を目的に計画的な交配・育種をされている純粋種が生活をする環境に対する配慮とは無縁に繁殖をされているのと違って、その土地の生活風土になじむことで長期間に渡って自然の選択・育種を受けてきた(主に)雑種犬たちは、生活する環境に対して適応した個体だけが残った・・・という意味でその土地に暮らすことに関しては(別の土地で生まれてやって来た純粋種に比べて)「強い」ということが言えるかもしれません。

それから、牛や豚などの産業動物の世界で "雑種" といえば、ある特別な能力を増加させるために目的を持って交配を行うことを言います。例えば、お母さん豚には子育てが上手だけれど肉としてはあまり上等でない純粋種を使い、お父さんには別の種類の肉はおいしいけれどそれほど子どもが上手に育てられない種類のオスを使って交配して、産まれてくる子供はおいしい肉がたくさんできるように、雑種の子供を産ませるという方法です。この場合、子どもはお母さんからは上手に育つための遺伝子をもらい、お父さんからはおいしい肉になるための遺伝子をもらうことになります。
一方、何世代にも渡って選択・交配を繰り返して、ある種の病気に強い種類を作り出すような試みも動物や植物で行われていますが、これも雑種化による能力の強化ということが言えます。

つまり、いくつかの能力が(目的を持った)交配によって増強するということです。この場も「純粋化したことで強くなった!」という言い方をするわけです。

これを見ると、私たちが飼っている犬の場合は少し状況が違うことがわかると思います。 まず、目的を持って交配されたものでない限り、雑種であることが何か有利な条件を持っているとは言えないからです。
そして、我が家の愛犬が自然にその土地で交配されて・・・数世代に渡ってその土壌・風土になじんできた "地域適合型純粋種" であるとは限らないからです。
場合によっては、雑種化したことである種の能力が薄まってしまうという可能性もあり得るわけですから、雑種であるだけで「強い!」と言うことはできないわけです。

実際、同じ病気をもらったときにその個体がどれくらいひどい目に遭うのかということをはっきりと言い表す資料はありません。ですが、ある種の純粋種はある種の病気に対して感受性が高いとか、遺伝的に罹りやすい病気があるということがわかってきています。ということは、犬種によっては最初から注意をしておくことで病気の発見を早めたり、予防的な管理をすることができるということになります。このことだけを注視するならば、どのような弱点があるのかがはっきりしない雑種の場合よりも純粋種の方が有利であるということが言えるかもしれません。

ただし、個体の持っている能力というのは、
病気に対するものであっても
気性や性能に関するものであっても
"種による差よりも個体差の方が大きい" ということを知っておく必要があります。

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Wellcome to our newFACE

○新しい仲間はとても気持ちが不安定
○新しい仲間はとても疲れやすい
○新しい仲間はとても気を遣っている
○繰り返しになりますが・・・電池切れ対策について
○トイレとかお座りとか・・・


お家に新しく子犬や子猫が来た日のメニューに戻ります。 Answer of Question About Fast Day No.001
○新しい仲間はとても気持ちが不安定
新しく子犬や子猫が家にやってきたとき、飼い主たる我々が一番心に留めておかなくてはならないことのひとつに「まだ幼い!」ということがあります。

ペットショップから購入したり友人からもらったり、あるいは拾ったりして新入家族としてやってくる子犬や子猫は普通生まれてから2ヶ月とか3ヶ月の年齢であることが多く、事情によってはもっと若い子供達がやってくることがあるかも知れません。

それは私達の子どもであれば、まだ離乳がすんだばかりの保育園や幼稚園に入学する前の段階の年齢であるということになります。その様な幼い子どもが、とつぜん親や兄弟、そして飼い主さんの家族から引き離されて・・・(場合によってはペットショップなどを経由して)新しいお家にやってきたわけです。子犬や子猫にすればまさに"青天の霹靂"です。世話をしてくれる親や一緒に遊ぶ兄弟がまだまだ必要な時期です。にもかかわらず、とつぜん一人になってしまいました。

これからどうなるのか、どこで暮らすのか、誰が仲間なのか、まるでわかりません。そんなとき私達人間は、自分たちのペースで名前を付けたり、抱いたり、呼んだり・・・。タダでさえとまどっている子犬や子猫の気持ちがさらに不安定になってしまいます。

新しい仲間が加わった日、私達は、

・大きな声で話しかけて驚かせてしまったり、
・高いところに抱き上げて怖がらせてしまったり、
・代わる代わる抱いて疲れさせてしまったり

しないように・・・してあげなくてはなりません。

どうか、子犬や子猫の不安定な心の理由をよく理解して頂いて、暖かいところでゆっくり休ませてあげて頂きたいと思います。

お家に新しく子犬や子猫が来た日のメニューに戻ります。 Answer of Question About Fast Day No.002
○新しい仲間はとても疲れやすい
上の項目と同じ理由で、新しいお家で暮らし始めた子犬や子猫は、とても体力が不安定です。精神的にも不安定ですし、体力が有り余っている年齢でもありません。食餌を効率よく体力に変換する能力もまだまだ大人と比べればしれたものです。

この時期に体力が奪われてしまった場合、子犬や子猫は簡単に"低血糖"という状態に陥ってしまいます。この"低血糖"とは、血液中のグルコースが足りなくなってしまい脳に必要な栄養が送られなくなってしまう状態を言います。私達がお腹がすいて「目が回った」という状態のひどいものであると考えていただければわかりやすいかと思います。

このひどい状態に気づかず、低血糖が長く時間続いてしまいますと、グルコースを再補給しても脳が元に戻ることができず、悲しいことに子犬や子猫は死亡してしまうことがあります。

このことを予防するために、体力的な消耗が激しい子犬や子猫に私達がしてあげられることは

・できるだけ寝かせておく。
・高栄養で良質な食餌を1日数回(3〜4回)に分けて食べさせる。
・誘って遊ばせたり、お風呂に入れたりしない。

など体力の維持を最優先してあげることです。
私達も「かわいい」と思って飼ったわけですから、この時期の子犬や子猫と一緒に遊びたいですし、早く慣れてもらうためにもコミュニケーションを積極的に取りたいと考えるのはわかりますが、最初の2週間ほどは自重しておく必要があります。

お家に新しく子犬や子猫が来た日のメニューに戻ります。 Answer of Question About Fast Day No.003
○新しい仲間はとても気を遣っている
子犬が人の口を舐めにきたり、
飼い主が外から帰ると、思いっきり尻尾を振って出迎えたり、
あまりにうれしいと、オシッコを漏らしてしまったり・・・、

このような仕草は、かわいかったり、うれしかったり、ちょっぴり迷惑だったりするのですが、実は大変に切実な子犬からのメッセージが含まれているのです。

新しい仲間は自分がおかれた新しい環境に馴染もうとして必死です。

慣れない環境でうまくやっていくためには
虐められないように、
叱られないように、
危害を加えられないように・・・

することが重要です。

そのために子犬ができることというのは、
ヒトに対して
お母さんに甘えていた頃の自分の仕草で訴えるしかないわけです。

「乱暴なことはしないでください」ということでお腹を見せて無防備をアピール。
オッパイをもらっていたときのように人の口を舐めて世話をしてもらうことをお願いします。
ときどきオシッコを漏らしてしまうのは、お母さんが自分の世話をしてくれていたときに排尿や排便をすると優しく舐めてくれたことにルーツがあります。

本能的にヒトに(お母さんのように優しく)世話をしてもらいたい気持ちが全ての動作に表れているわけです。

どうか、飼い主さんはただ単純に「甘えている・・・かわいい!」というだけにとらえないで、これから長い将来に渡って犬とヒトが上手に暮らしていくために子犬が一生懸命自分の存在と立場を認識してもらいたいと訴えているということを知っておいていただきたいと思います。

お家に新しく子犬や子猫が来た日のメニューに戻ります。 Answer of Question About Fast Day No.004
○繰り返しになりますが・・・電池切れ対策について
新しく来た子犬や子猫はとにかく休ませる!。

ほとんどの場合、子犬や子猫はお母さんが面倒を見ている状態から(無理矢理)離されて新しいお家に来ているわけです。そして多くの子犬や子猫は離乳を始めてからいくらも時間が経っていないことが多く、まだまだ本当に独り立ちできる状態ではないことが多いのです。したがって、エネルギーを取り込む力が大人の犬や猫に比べてはるかに力不足です。さらに、子犬や子猫は新しい環境に慣れるためにたくさんのエネルギーを使って飼い主さんに甘えます。私たちがそれを理解しないで(もちろんかわいいですから仕方がないのですが)長時間触りすぎたり声をかけすぎたりしてしまいますと・・・簡単に低血糖という状態を引き起こしてしまいます。これは私たちがお腹がすいて目が回るという状況と基本的には同じですが、子犬や子猫の場合にはエネルギーを取り込む能力が低く、体力も少ないですから、放っておくと致命的なことになってしまうこともあります。

そのようなことが起こってしまった場合には、とにかく早く動物病院を訪ねることになるのですが、一番よいのは(子犬や子猫というのは)そうなることがあるということを飼い主さんが事前によく理解しておいて、極力そうならないように気をつけてあげることが大事なわけです。

その方法は、「寝かせておく」ことです。新しく来たかわいい子犬や子猫を触らずに声をかけずに寝かせておくということは飼い主さんにとっては大変苦痛かも知れません。おもちゃを買ってもらった子供に「遊ぶな」というようなものだからです。でも、最近は犬や猫が15年も16年も生きる時代です。ぜひ、今後の長いつきあいのために最初の2週間は家族で申し合わせてなるべくゆっくり寝られる時間を確保してあげてください。

お家に新しく子犬や子猫が来た日のメニューに戻ります。 Answer of Question About Fast Day No.005
○トイレとかお座りとか・・・
新しく子犬や子猫を飼われた飼い主さんが最初におっしゃるのは、「まだトイレがしっかりできない。」とか「言っても座らない。」、「呼んでも来ない。」などの問題です。

でも、本当は(最初は)それでよいのです。子犬や子猫は新しいお家に来てもすぐにはヒトの言葉を理解しません。飼い主さんは子犬や子猫にして欲しいことを根気よく丁寧に繰り返し教えていかなくてはなりません。それらの具体的な方法に関しては別の項目で説明しますが、ここで気を付けなくてはいけないのは、それらを始める時期です。

新しい環境に馴染んでいない子犬や子猫は人間の言葉を理解するどころか、現在自分の置かれている状況を正しく分析することさえままなりません。誰がご主人(飼い主)なのか?、自分がどこで暮らすのか、何もわかっていません。それに、前の項目でもお話ししましたが、自分に対して危害を加えられないようにするだけで精一杯なのです。つまり、そのような精神状態では落ち着いて人の言うことを聞く状況ではないわけです。

新しい子犬や子猫がやってきたときは、しばらくは時間の猶予をあげてください。少なくとも体と気持ちが落ち着くまではあまりしつけに関してうるさいことを言ってもダメだと理解しておいてください。

ただし、子犬が(甘えて)私たちの手に噛みついたり、子猫が無遠慮に食卓の上に昇ってしまうことなどのような、最初から許してはダメな項目というのも存在します。それらは早期にやめさせておく方が断然(今後私たちにとって)有利に生活関係を構築していくことができるような基本的な生活習慣についてですが、これらの件については(彼らが)やってきたその日からきちんと言いきかせて認識してもらう方向で接する方がよいのです。

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Management of Health

○食事の時って・・・
○お風呂や散歩っていつからできるの?
○イヌやネコの考えている事ってわかるの?
○イヌやネコって人の言っていることがどれくらいわかるの?
○・・・
○・・・
○・・・


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○食事の時って・・・
動物たちが一日の内で最も楽しみにしていることのひとつが "食事" の時間です。この生き物にとって大きな楽しみの食事の時間は、その動物を管理する者にとってはまた大事な情報の収集源でもあります。

つまり、「ご飯だよ」ということで食餌を出して、そのまま他の家事を・・・などとしないで必ず食べ終わるまで傍についていてあげていただきたいのです。

何か問題を抱えていてすぐに食事ができない場合があるかも知れませんし、いつも通りの食餌の食べっぷりかどうかでその日の体調を知ることができます。

それから、
なかなかじっとしていない動物たちの体の様子をじっくり観察することのできる時間でもあるわけです。

このような観察を実行することで、「いつもと態度が違う?」とか「歯が痛そうだ!」とか「フケが出ている!」とか「目が汚い!」とか「耳が臭い!」・・・というような異常を早期に発見することができることがあるわけです。

どうか、動物の食事の時間はなるべく私たち飼い主にも時間の余裕のある時間を選んでいただきたいと思います。 (関連記事 ↓)

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○お風呂や散歩っていつからできるの?
新しい子犬が来た!
すぐに散歩に行きたい!毎日でも洗いたい!・・・

でも、ちょっと待って下さい。これまでにお話ししたいくつかの質問の中でお話ししたように子犬はとても疲れています。そしてとても不安を感じています。飼い主さんが「もういいだろう?!」と考えていろいろな経験をさせようと考える時期・・・だいたいお家に来て2週間くらいでしょうか・・・では、未だお風呂などの経験は早いということを覚えておいて下さい。この時期の子犬はどのような理由があったとしても極力体力を消耗させないことを最優先させなくてはなりません。シャンプーのような体力を消耗し精神的にも疲れるような行事はできるだけ先に延ばしておきたいものです。

もちろん、オシッコやウンチなどで体が汚れてしまったり、ノミやダニ、シラミなどの寄生虫や皮膚炎などが見つかった場合にはむしろ積極的にシャンプーをしてあげなくてはいけない場合もあります。その場合は、獣医さんの指示に従って手早く洗うようにしてあげてください。

それからお散歩ですが、これは少しややこしい問題を含んでいます。 ご存じのように犬という動物はかなり社交的な生活を営むことのできる動物です。自分とその家族だけでなく他の個体とも友好的なコミュニケーションをはかることもがきます。これは同族の犬に対してだけでなく猫やアヒルなどの異種の動物とも仲良くなれることがあります。

でも、それにはいくつかの条件が必要です。最も重要な条件は、子犬の精神的な成長が止まってしまう前にできるだけ多くの経験を積ませておくことです。そうすることで不意に訪れる出来事に対する対応力を鍛えておくことができるのです。具体的には若い時期に多くの生き物や他人とのコミュニケーションに慣れておくということです。多くの動物行動学者がこの件に関して重要な報告をしています。

ところが、これにはひとつ問題があります。きちんとしたワクチネーションが終了しないうちに外部の動物や人間と濃密な接触をすると、子犬が伝染病をはじめとする多くの病気に罹ってしまうことがあるということです。獣医さんはこの件に関してとくに心配をしていて「あまりに早い時期には外部との接触を勧められない!」ということで・・・動物行動学者との間に意見の食い違いが生じてしまうことがあるのです。

これでは飼い主さんは「どうしたらいいの?」ということになってしまいますから、最近はどちらの説が重要であるのかという議論ではなく若干歩み寄った説明をされているようです。つまり、なるべく早い時期から数回のワクチネーションを行うことを基本として、少なくとも1〜2回の予防注射の接種が終了した段階で外部の人や動物との接触をはかっていくというものです。

このように、シャンプーもお散歩も動物がお家に来てすぐに始めることは勧められないということがわかっていただけたと思いますが、かといってあまり遅くまで躊躇していると反対に精神的な社会化が遅れてしまい、愛犬にとっても飼い主さんにとってもよい結果が得られないということもありますので、最初の予防注射を受ける時期と接種回数、いつから外に出せるのか?ということに関して獣医さんに相談してください。厳密には、産まれてからの日数とか子犬がいつお家に来たのかによってワクチネーションのプランニングが変わってきます。

こちらもご覧下さい。

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○イヌやネコの考えている事ってわかるの?
(この情報の内容は現在再検討・更新中です。)

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○イヌやネコって人の言っていることがどれくらいわかるの?
(この情報の内容は現在再検討・更新中です。)



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◎日常の管理の知識
◎ちょっときわどい蘊蓄のページ
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For Daily

○温度について?
○食餌について
○首輪?胴輪?
○散歩っ? 距離は?、時間は?
○シャンプーについて?
○トイレのしつけ?
○・・・


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○温度について?
ドッグフードをふやかすお湯の温度
ドッグフードをふやかして与えているお宅の場合、"熱い!" お湯でふやかすのはダメです。表面の温度をさまして与えているつもりでも、ドッグフードにしみこんでいるお湯が「熱い!」ことがあります。
それを知らずに与え続けていると、胃の壁が火傷を起こしてしまって・・・、ひどい胃炎を起こしてしまうことがあります。

シャンプーをするときのお湯の温度
同じように、シャンプーのときのお湯の温度も重要です。
私たちの体や頭を洗うときと同じように「熱いお湯が気持ちがいい・・・だろう?!」ということで、ガンガン熱いお湯で濯いでしまう方がおられるのですが、これが大変な結果を招いてしまいます。洗い終わった後の皮膚は見た目にも真っ赤で、犬は痒がってヒーヒー言っていますし、毛を乾かしてもフケが多量に出て、「ちゃんと濯いでいるのに、全然うまくいかない。」ということになってしまうわけです。 犬や猫の体を洗うときに使うお湯の温度は人肌(36〜37℃)くらいで結構です。くれぐれも「熱い方が気持ちがいい?!」などとは考えないでください。

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○食餌について
食餌についてのあれこれは、まず

子犬の時期
成犬の時期
老年期

に分けて考える必要があります。

また食事の仕方の問題点として、すぐに食べ付かなかったりダラダラ食いや遊び食いをする(好き嫌いを言う)という相談を受けることがありますのでそれらについてもお話しをします。


【子犬の時期の食餌に関して】
まず、子犬の時期の食餌というのは少し特徴的です。というのは、新しく加わった仲間に "食餌" という栄養を摂取させるための目的で給餌をすることのみならず、これまでは居なかった仲間に新しく(我が家の)食習慣を会得させるという特別な目的も含まれるからです。

この場合、「1日に何回食餌をさせるのか?」ということも興味深い問題です。病院に初めて訪れる飼い主さんの中には生後40日前後の子犬を連れて来て「ブリーダーさんから分けてもらったのだけれど、小型犬なので食餌は1日に2回でよいと言われた。」ということをおっしゃる場合もあります。「大型犬なので1日に4回食餌をさせなさい。」と言われて来る飼い主さんもおられます。

まず、はじめにお断りしておかなくてはいけないことですが、動物は食べさせ過ぎてしまったからといって、(太り過ぎることはあっても)体格が大きくなり過ぎることはありません。ですから、もしも飼われた愛犬が極小型犬であったとしても「大きく(大型に)ならないようにするためにはたくさん食餌を与えてはいけない!」という指示を信じてはいけないということです。

生き物の体は必要にして十分な栄養を供給されることで正常な生体機能を発揮することができるわけですが、(体格を)大きくしないために給餌を絞るということは「栄養失調にしておけば(体格が)大きくならないだろう。」という(期待的な)理屈なのです。

でも、現実の状態はそうなるわけではありません。

たとえ栄養失調の状態でも、動物の体は(本当は栄養が充分に供給された個体に比べれば矮小なのかも知れませんが)痩せてしまっているということはあっても、体格が小さくなってしまうということはないのです。
つまり、栄養が足りないために痩せはているけれど・・・お父さんとお母さんから受け継いだ遺伝子的な体格は(ある程度は低栄養の影響を受けたとしても)実質的な数字(スケール)として現れてきてしまうのです。

現実的には、生後間もない子犬を人為的に養う場合や飼って(買って)間もない子犬に対する食餌は1日3回から4回をお勧めしています。本当なら、その子犬たちの母親はもっと頻回に母乳を与えていたはずだからです。
特に大きな体格の犬の場合は回数を増やすことでカロリーの摂取を増加させることと、消化・吸収に伴う胃や腸の負担を低減させるためになるべく頻回に食餌の給餌間隔を確保することを支持しています。このようなやり方を生後半年くらいまで続けていただくのがよいと考えています。


【成犬の時期】
成犬(生後半年以上の子犬)の食餌は小型〜中型の犬種では1日2回、それ以上大きな犬種では生後1年までを目安に1日2〜3回の食餌と言うことで良いと思います。最近のドッグフードというのは割と良くできていて栄養失調というのが起こり難くなっていますので量に関しては「少ない?」という心配は先ず必要ありません。飼い主さんは愛犬の食餌の量を彼らの体格を参考にしながら太りすぎないように調整をしていけばよいわけです。

最近は多くの家庭で、犬が家の中で飼われていることが多いですから、"人の食餌の習慣に合わせて "といういみで、あるいは、食餌から効率よく栄養を吸収しやすいという視点から、"1日2回" の食餌というのが一般的だと思います。また、犬が「食べた!」という満腹感として満足する量を1回の食餌から確保するためにも1日2回の食餌というのが勧められます。

大型の犬を飼っておられる場合には、「うちは1日に1回の食餌だけれど・・・。」とおっしゃる場合もありますが、個人的にはそれをも支持しています。現在、自分の家の犬は(生後間もないものを除いて)1日1回食でやっています。もちろん、回数が少ないことによる栄養不良や精神的なダメージの発現は認められていません。

実際の食餌の管理ですが、成犬(壮年期)の食餌は "いつも通り!" が一番良いということが言えます。

「どのようなものをどれくらい与えればよいのか?」という疑問は食餌に関する話題の中で一番多い質問なのですが、結論からいえば「いつも通りのものをいつも通りの量で与え続けるのが一番。」ということになります。

もう大人になっているわけですから、これまで元気で健康にやってきた実績を信じて「使ってみたことがあって、大丈夫だった!」ものを使い続ければよいわけです。

ここで注意事項ですが、食餌の基本は「続けること!」です。
今日はこれを食べさせよう。
明日はこれを食べさせてみよう。
珍しいオヤツがあったから買ってきてみた・・・
などといろいろな食べ物を用意しないようにしましょう。
ご飯の時にご自分の食べ物の中から「ちょっとだけ」とか「あらっ!」という落としたふりのご相伴などはいけません。

少し話はずれてしまいますが、この時期によくある問題として、
「友達に勧められてドッグフードを変えたのだけれど下痢をしてしまった。」
「しょっちゅう餌を変えてあげているのに食が進まない。」
「同じものを何日も食べない。」
「人の食べるものやジャーキーなどしか食べない。」
「少し食べると、どこかに行ってしまう。」
というようなことがあるのですが、

基本的には "(飼い主さんが)食餌の内容にバリエーションを持たせてしまった" ということがすべての原因になっているようです。動物たちは、毎日同じ食餌を同じ時間にきちんともらえるということが一番嬉しい!。と考えていることをご理解いただきたいと思います。 少し詳しい話も読んでください ↓


【老年期】
残念なことに全ての犬が(私たちもそうですが)年々確実に年をとっていきます。

「いい年をして・・・」というように言われるごとく、あまり年齢がいってからの変化や調整というのは、とかく問題を起こしてしまうことがあります。 「年寄りになってきたのだから、あまり煩いことを言わずに好きなものを与えてもいいんじゃないの?!」というようなことで飼い主さんが少し考えがルーズになり易いのもこの時期です。

結果として、犬は軟便や下痢便などで悩まされることになります。場合によっては、その世話をする飼い主さんの方が(本来の当事者である犬や猫にとってより)もっと深刻な問題になってしまうこともあります。

このような場合、原因になるのは次の二つの要因です。

まず、「欲しがっているんだから大丈夫なんじゃないの?!」ということで飼い主さんの食べ物やペットショップで売られている様々なおやつなどを(動物の体のことを考えずにただ「喜んで食べるから・・・」という理由で)与えていることが原因で起こる消化不良や腸粘膜の炎症などです。

そしてもうひとつ、「すでに年齢的な変化が訪れていて・・・若い犬がもらっているような食餌の内容では、消化や吸収において問題が出てしまう・・・つまり、下痢や消化不良の症状が出てしまう・・・。」という場合です。

問題は、下痢や消化不良でトラブルが起こるケースです。あまり高カロリーな食餌は消化機能に負担をかけてしまうことがあるため、お年寄りの食餌の内容は、(人の場合もそうですが)低脂肪な方向で考えてあげるのがよいと思います。いわゆる "シニア" や "ライト" などと言われる食餌を選択するなどの工夫をしましょう。


【食餌に関する問題行動をやっつける】

食餌をするときの問題点として・・・
すぐに食べ付かなかったりダラダラ食いや遊び食いをする(好き嫌いを言う!)
などという質問を受けることが多いですから、ここで一緒にお話しをしてしまいます。

すぐに食べ付かなかったりダラダラ食いや遊び食いをする

特に子犬の場合は、周囲に対して気が散ってしまったりして "ウロウロしながら食べる" というようなことが見られる場合がありますし、飼い主さんが餌の器をわたして直ぐにその場を離れてしまうようなことをすると子犬は(思わず)ついてきてしまうことがあります。
このようなことが起きている場合は、なるべく静かなところで落ち着いて食餌に集中できるような周囲の調節が必要です。特に神経質な子犬の場合はなおさらです。それから、飼い主さんは食餌を与えたらその場で静かに見守ってください。食事の時間というのは愛犬の体の調子やちょっとした異常を発見することのできる大変良い機会ですので、できるだけ時間を割いて傍にいてあげていただきたいのです。子犬が食餌に集中できるように優しく声をかけ食器に手を添えて誘導してあげることも良いと思います。

大人の場合の "遊び食い" や "ちょっと食べると直ぐにやめてウロウロしてしまう" ような食べ方の原因は、食餌を与えるときの "習慣の形成" に問題があった可能性があります。

飼い主さんがときどき食餌の内容を変えて与えているような場合。
人の食べるものを分けてあげている場合。

などが考えられます。

特に、飼い主さんが「たぶんドッグフードなんか旨くないだろう」と考えている場合、問題はよけい深刻です。ドッグフードをもらうときよりもお肉やハムをもらうときの方が飼い主さんの顔が嬉しそうなことを犬は直ぐに感じ取ってしまいます。そうすると、犬はどれが自分の食餌なのか判断することができずに、飼い主さんが嬉しそうに自分にくれるものが "自分の食餌だ”" と勘違いしてしまうのです。

そうすると、ドッグフードは「ちょっと怪しい食餌だ」と言うことで直ぐに食べつかなかったり、「(飼い主さんが好きな)あの食餌を下さいよ。」ということでドッグフードの食器から離れて飼い主さんに飛びついてきたり・・・、してしまうわけです。

食べないことを心配して声をかけたり、他の食餌を出してきて与えたり、「手から食べさせてみよう。」ということでいろいろやっている内に、犬は「食餌の内容は自分が決めてもいいんじゃないか?!」という勘違いをしてしまいます。そして、飼い主さんは(心配して)どんどん食餌の内容を犬の言いなりに変化させてしまって・・・問題は解決はいつまでたっても実現しないわけです。

これを元に戻すには食餌のバリエーションをなくしてしまうのが解決のための早道です。

飼い主さんは最もバランスが取れていて体にとって有益な食餌は(ハムやブロッコリーではなくて)「これだ!」と自信を持って愛犬に差し出さなくてはいけません。
習慣的にガツガツ食べることを忘れてしまっている彼らは「???」という反応で食べつかないかも知れませんが、そのときは「それでは片づけます。」ということでいったん食器を引き上げましょう。この話はかなり低レベルの "しつけの本" にさえ書かれている原始的な方法ですが、実際それしか方法がありません。犬の考えている(本当は誤解している)食餌に対する認識を犬主導のものから飼い主主導のものに変化させるためには、「食べなかったら片つける!」という断固たる態度を貫くしかありません。

でも飼い主さんにしてみれば、
「どれくらい食べなくても平気なの?」
「あまりお腹がすくと吐くんだけど?」
「元気がなくなってしまったような気がするのだけれど?」
といった不安があるのも事実です。

その場合、役に立つのは獣医さんです。
動物病院で犬の体調を診てもらって、
「体調が悪くて餌を食べられないのではないのか?」という不安や
「どの餌をどれくらい与えるのか?」という疑問や
「どのタイミングで餌を引き上げてしまって良いのか?」という実際の手技まで
詳しく説明を受けることで、

敢然と、愛犬のダラダラ食いに立ち向かっていただきたいと思うのです。

順番は前後しますが、ほとんどの子犬は新しいお家にやってきたときには(黙って)ドッグフードを食べていたはずです。それもものすごくハシャギ回りながら「早く!」「早く!」というそぶりで餌をねだる仕草は大変可愛いものであったはずです。

それが「ドッグフードを食べなくなってしまった。」ということになってしまうまで・・・あまりたくさん時間がかからないことが多いのですが、その理由のいくつかはここでお話しをしましたが、問題は最初の少しの時間の間に起きているわけです。

食べるものを与えるということは大変楽しいことですし、いろいろな食べ物を食べさせたいという(飼い主さんの)気持ちもよくわかるつもりなのですが、動物たちが健康で長生きをしてくれるためにはどうしても "基本" として守っておいた方がよいという事もありますので、ぜひ「・・・なってしまった!」ということになる前に毅然とした食餌の習慣を付けて置かれることをお勧めしておきます。

なお、つけ加えますが、警察犬・盲導犬・聴導犬・災害救助犬などを飼育・管理する場合、ほとんど食餌は(決まり切ったように)ドッグフードが使用されていることが多いのですが、このような犬と人の間に絶対的な信頼関係を求められるような犬を飼育する場合でも、ドッグフードを使っていることが原因で犬の機嫌を損ねたりその能力を発揮することができないということは決してありません。要は(飼い主さんが)、犬に「どうしてもらいたいのか?」とか、犬が「どうすればよいのか?」ということをきちんと愛犬に伝えることができるかどうかということにかかっているということです。

ご健闘を祈ります。

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○首輪?胴輪?
答えは首輪!

胴輪というのは本来は犬に物を引かせるための道具です。例えば、荷車や橇(そり)などですが、引っ張ることで首に過大な負担がかからないように胸と肩で引き綱を固定する構造になっています。そのために、犬はかなり重量のある荷車や橇を引っ張ることができるわけです。

犬などの四つ足の動物というのは、首や肩に綱をつけて後ろに引っ張ると、無意識に前に引いてしまう習性があります。ということは、胴輪を使っている場合には引っ張ることに関して効率が良いわけですから、飼い主さんはより強く犬に引っ張られてしまうことになるわけです。

また、その構造上の理由で胴輪は飼い主さんが後ろに引っ張ったとき犬の体が起きて(立ち上がって)しまうためにコントロールをし難いという特徴があるのです。

したがって、飼い主さんの脇についてきちんと歩く練習ができていなくて、どんどん飼い主さんを引っ張って歩くような習慣がある場合、首輪よりも胴輪の方がより使い辛い道具であるということが言えると思います。

一方、首輪の場合は引き綱の力が掛かる部分が犬を一番コントロールしやすい首の部分に集中しますので、飼い主さんの意図するところを確実に犬に伝えることができる理想的なコミュニケーションの道具であるといえます。

犬を制止するときや飼い主さんの脇について歩く練習をするときなどでも、引き綱の力が犬の首に伝わるためにあまり強い力を必要としないため、小さな子どもたちやお年寄りなど体力的に自信のない方が散歩をする場合はとくに首輪を使うことをお薦めします。

参考:困ったさんの退治の仕方:犬編「首輪の種類と使い方」も読んでください。

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○散歩っ?距離は?、時間は?
外に散歩に行く前に家の中で練習しましょう。

最初から上手に歩けるわけがない。

最初は距離よりも一緒に歩けることを重視しましょう。

長時間歩けばよいというものでもありません。

散歩中のコミュニケーションを大事にしましょう。

暑がりの種類は夏の日差しの中を散歩してはダメ!

アスファルトの上は鉄板なみの暑さ!

短毛種の散歩は寒い時間帯はダメ!

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○シャンプーについて?
シャンプーの間隔ってどれくらい?
野生の犬科の動物がお風呂に入る習慣があれば、どれくらいの間隔がよいのかという正しい答えが出せるのでしょうが、実際彼らが(川や沼を含めて)自ら水に入るのは獲物を追いかけているときくらいでしょうか。

そうなると、犬を洗わなければならない理由がなければ「洗わなくても良いのでは?」ということも言えそうです。事実、生まれてから一度もシャンプーというものをされたことのない犬を何頭も知っていますが、そうだからといって(僕が知っている)彼らが皮膚病に罹っているわけでも毛玉や汚れで不潔な状態になっているというわけでもありません。

でも、多くの飼い主さんは積極的に「犬を洗いたい!」と考えています。

白い犬を飼っている場合や、少し脂症の犬が一緒に暮らしている場合には、
「汚い!」とか、
「臭い!」とかで、
「洗いたい!」という気持ちがあるのももっともですし、

毛の長い犬や毛玉のできやすい犬の場合には、
「洗わないと毛が絡んでしまって・・・」ということになってしまうのわかります。

でも、気をつけなくてはいけないことがあります。
それは、やはり "洗い過ぎ" です。
短期間に繰り返して洗われている被毛は見た目にはきれいに見えるのですが、
実は、
「毛にザラザラ感がある。」とか、
「白いけど、艶がない。」とか、
「汚れやすくなってしまった!」
というような、弊害が出てしまうことがあるのです。

これらの原因は、シャンプーすることによって
「毛が脱脂されてしまった。」ことと、
「毛質が荒れてしまった。」ことによるものです。
あまり過度にシャンプーを繰り返すことは却って毛の質を悪くしてしまうこともあるわけです。

また、「臭い!」ということであまり頻繁に洗いすぎてしまうと、皮脂腺から出る脂によって護られていた皮膚のバリアー機能が失われてしまって "皮膚病" に罹りやすくなってしまう場合もあります。それから、あまりに脱脂されてしまった被毛は風や水を通しやすくなってしまいますので、風が吹いたり雨が降ったりすると・・・風が通ってしまって寒かったり、簡単に(皮膚の部分まで)濡れてしまったりするわけです。

では、どれくらいの間隔で洗うのがよいのでしょうか。
一般的には
短毛種の場合で、
大型の犬の場合は(使う水とシャンプーの量を考えても)月に1回、
小型の犬の場合でも、月に2〜3回程度にしていただきたいと考えています。

トリミングを必要とするものの場合は、
被毛のカットをする間隔の間に1〜2回くらい

要するに、一般の飼い主さんが「洗いたい!」と考えるよりも "もう少し長い間隔で洗うのがよい" ということが言えるかも知れません。このことは犬の種類や毛の状態によっても個人差があることですので、きちんと「これくらい。」ということを知りたい場合には、動物病院で相談してみればよいと思います。

それから、"例外" があります。それは "皮膚病" がある場合です。"皮膚病" とは、皮膚に問題を起こすいろいろな原因によって皮膚の表面が影響を受けてしまうことで異常な皮膚の状態が起きてしまうことを言うのですが、このような状況に陥っている皮膚に対しては治療のための武器として積極的にシャンプーを使うことを試みることもあるわけです。
もちろん、皮膚病の種類や原因によっては洗わない方が良かったり、使うシャンプーの種類を選別する必要があったりするわけですから、一概に「洗えばよい。」とばかりは言えないのですが、我が家の愛犬が "皮膚病に罹っている!" という場合には、動物病院できちんとした診察を受けて、その指示によって短期間の繰り返しによるシャンプーを実施する必要がある場合があるわけです。

シャンプーをするときは人のシャンプーを使っても良い?
基本的にはダメです。緊急且つやむをえない場合でどうしてもシャンプーが必要な場合はきわめて薄く希釈してから使う方がよいでしょう。人のシャンプーは使用感のために泡立ちがよく、清潔感を増すために脂汚れを落としやすくできています。

したがって、少量のシャンプー液でも大量の泡が生じてしまって、特に長毛の犬などの場合は濯ぎ落とすのにものすごい時間がかかってしまうことになりますし、「一生懸命やったのに・・・」結果として濯ぎが足りなくて「シャンプーの後はいつも痒い!」という不満が生じてしまうことにもなりやすいのです。

また、漂白剤の混入されたシャンプーの使用もあまりお勧めできません。洗い上がりは結構白いのですが、毛の痛みが激しくすぐに汚れが付いてしまうため、結局はまた洗って・・・ということの繰り返しになってしまいかねません。

特に、皮膚の弱い犬では、"薬用シャンプー" の使用等、動物病院で特別に指定されたシャンプーを使うことが勧められます。この場合も市販のシャンプー剤との同時使用はお勧めできません。却って病状を悪化させてしまうこともありますので、注意が必要です。

こちらも参照してください ↑

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○トイレのしつけ?

トイレは家の中で!!これからの定説?!

手術や病気などで動物を診せていただくとき、「しばらく外に出さないでいただきたい。」というお願いをすることが多いのですが、「うちの犬は外でないとオシッコもウンチもしないので・・・」とか「台風の日でも外に連れて行ってやらないと・・・」というようなことを言われる飼い主さんが結構たくさんおられます。

最近話題になっている高齢犬の介護においても「トイレをさせるために外に行かないと・・・」ということが結構大きな問題になっています。

日本では、「トイレをさせるために散歩に出す。」つまり、公道や公園をトイレ代わりに使うということが当たり前のように語られていますし、実行されているのですが、実は現代の先進国では社会的に全く認められていない悪習であるということが言えます。道路で乾燥して転がっている(非常識な)ウンチや島状に変色したオシッコのシミなどを例に挙げるまでもなく公衆衛生や動物の飼育の常識として飼い犬の屋外排泄は問題外の習慣です。

動物病院では新しい子犬が来院すると必ず「トイレは家の中でできるように練習してください。」ということをお話ししています。

トイレのしつけはそれほど難しい課題ではありませんので、ぜひ室内での排便・排尿を習慣化していただきたいと思います。

「トイレは家の中で!」

これは、これからの "定説" です!。




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For Expert

○散歩って?
○チョー幼い子犬や子猫が商品として取り引きされている!!
○・・・
○・・・
○・・・
○・・・
○・・・


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○散歩って?
(この情報の内容は現在再検討・更新中です。)

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○チョー幼い子犬や子猫が商品として取り引きされている!!
長いこと動物病院をしていて、今でも最も楽しい時間というもののひとつが「新しい子が来ました。」ということで動物病院に健康診断や予防注射に来た子犬や子猫に逢うことです。でも、残念なことにそのほとんどが生後45日前後の若い子どもたちばかりです。

他のことを何も考えずに、その子犬や子猫たちを見るだけなのであれば「かわいい!」ですし、「愛らしい!」のですが、実はこの現実はかなり危険です。

まず最大の問題は、"親や兄弟とのコミュニケーションが早い時期に断ち切られてしまった" ことです。子犬や子猫は母親や兄弟から引き離されてしまうことで、後になって情緒や性格に深刻な影響が出る可能性があるということが知られています。

たとえば、
7週齢から16週齢という時期は、「社会化期」といって子犬が周囲の環境と摺り合わせを行っていく、学び・慣れるのに大変重要な時期です。その環境の中には(とうぜんですが)親や兄弟という一番親しく近しい仲間が必要なのです。親や兄弟と一緒にいる生活の中で、叱られたり、じゃれ合ったり、喧嘩していく中で犬が本来持っているべき仲間意識や上下関係、優しさや恐怖心といった・・・将来において "性格" とか "情緒" として現れるはずの内面的な構築物が形成されていくわけです。

この時期に十分な社会化を行えなかった個体は、

・びっくりすると直ぐに噛んでしまったり
、 ・大声を上げて怖がってしまったり、疑い深かったり、
・人の言うことを素直に聞くことができなかったり、
・他のイヌやネコと上手につきあうことができなかったり、
・新しい環境に対して慣れることができなかったり、
等々のいろいろな困ったさんに育ってしまうことがあることがわかってきています。そして、困ったことにそれらは後になってからではやり直すことが大変難しいのです。

新しい家族ができて、名前が付いて、抱いてもらって、遊んでもらう・・・良いこと尽くめの新しい生活のように見えても、その時期というのは子犬や子猫にとって失ったものの影響が裏側でジワッと出て来る時期でもあるわけです。

わが国では昔から「子犬や子猫はなるべく小さい内から飼い始めるのが良い」とする風潮があり、事実そうされてきました。残念なことに、最近でも未だペットショップやブリーダーから買い取った子犬や子猫が生後45日前後であることが大変多いのが現状です。

子どもたちが社会化を始める大変重要な時期にそれに対して(悪)影響があるかもしれない刺激を加えることに懸念を覚えるのは私たち獣医師だけでなく、先進的で勉強家のブリーダーの一部からはすでに「なるべく長時間母親に付けておく。」ように説明され始めているようです。

問題なのは、すでに若齢にも係わらず個人の自宅に引き取られてしまった子犬や子猫たちです。この場合は、影響が最小限ですむように飼い主の手で十分な社会化を行う必要があります。また、獣医師はそれに対して幼い動物たちに及ぶ影響を最小限に止めることができるよう十分な知識と経験でお手伝いをしていく必要があるわけです。

まず、飼い主さん自らが子犬や子猫の行動学について十分な知識と理解を持っていただく必要があります。そのためには、とりあえず動物の行動学に興味と知識を持っている獣医さんに相談することが一番だと思います。子どもたちは日々育っていきますので、そういう意味では時間がありませんから、なるべく早期に行動を起こしていただきたいと思います。

また、動物の行動学に関しては市販されているいくつかの書籍が十分に有用な情報を提供してくれています。では「どの本を選べばよいのか?」ということですが、多くの出版物の中にはやはり "お薦め" のものと "そうでないもの" というのがあります。実際にここでそれを記述してしまうのにはいろいろな問題があるでしょうから、その件に関しても獣医さんから情報を提供してもらえると思います。

いずれにしても、今後動物を取り巻く業界の動物愛護の意識が高揚し、子犬や子猫など幼い動物に対する慈愛と養護の精神が高まっていくのを期待します。


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このホームページに掲載している動物の病気や予防の解説、管理やしつけに関する情報はあくまでも一般的な事象として記述しています。したがって、すでに動物病院で治療を受けている動物の病状の解説としては使えません。また、現時点で体調を崩している動物がいて、その動物を動物病院に連れて行くべきかどうかという判断の材料にも使えません。実際に病気の動物がいる場合には、いずれにしても早期に獣医師による診察を受け、その指示に従ってください。また、このホームページの記事の内容から得られた情報を使用したことに起因する損害等の発生あるいはその可能性に関しましては作者は責任を負うことができませんので、情報等の使用に関しましてはくれぐれも参考としてご利用をいただきたくお願い致します。